表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全てを義妹に奪われた令嬢は、精霊王の力を借りて復讐する  作者: 花宵
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/22

7、さようなら

「ああそれと先ほど、私の兄であるレイリウス・ローザンヌ皇子を『お前』呼ばわりしていましたわね? 王室から廃嫡された、たかだか平民風情にすぎない者が」


「お、お前たちが、ローザンヌの皇族だと?!」


「ご存知ありませんでしたか? 私の母はローザンヌ皇帝の一人娘。事情があり皇室から離れておりましたが、無事解決したので今は皇女としてあちらへ戻っていますのよ」


「そ、そんなバカな……信じられるか!」


口で言っても分からないお馬鹿ちゃんには、力を見せつけた方がはやいわね。


「精霊王ユグドラシルよ、我の呼び掛けに応じ参上したまえ」


普段はこんなこと言わないけれど、ユグドラシル様の威厳を出すには大事よね。


いつものミニ精霊バージョンではなく、私達と同じ等身大バージョンでド派手に神々しく登場されたユグドラシル様。


「呼び掛けに応じ参上した。フィオラよ、何を望む?」


「この方が、私の言う事を信じて下さらないのです。ユグドラシル様、少し力を見せつけてもらえませんか?」


「よかろう! 火炙りにするか? それとも水攻めか? 雷を落としてやってもいいぞ! それとも風で切り刻むか? 地震を起こして地中に埋めてもいいぞ?」


「だそうです、ジルベール様。何がお望みですか? 信じられないのなら、フルコースでしてもらいましょうか?」


「お、俺が悪かった! 信じた、だからやめてくれ!」


「うそよ、こんな……どうして……いやあーーー」


腰を抜かしたようで、二人とも床に座り込みがくがくと震えている。


「不敬罪で捕えられるのはどちらか、やっとお分かり頂けたようですね」


「待ってくれ、フィオラ。俺はこの女に騙されたのだ。本当に愛しているのはお前だけなんだ。だからどうか……」


みっともなく足元にすがり付こうとしてくるジルベール様。ここまで嬉しくない愛の告白もないわね、興醒めだわ。


「それはおかしいですね。貴方は愛していると仰る女の意見を聞こうともせずに、勝手に決めつけて悪者にし、この公の場で恥をかかせて捨てようとしていたのではありませんでしたか?」


「お前の気持ちを確かめたくて、ちょっとした悪ふざけをしただけなんだ!」


「いい年をして、公の場でこんな事をして、悪ふざけで済むと本当にお思いですか? そんなに私の気持ちが知りたいのなら、教えてさしあげます」


跪いているジルベール様の顎に扇子を添えて、強制的に私と目線を合わせる。とびっきりの笑顔を向けて、正直な気持ちを伝えた。


「ジルベール様。私はあなたの事が、心底嫌いです。隣に並ぶのが、とても苦痛でした。お別れ出来て、とても光栄ですわ」


みっともなく大声をあげて泣きながら、ジルベール様はそのまま地面に崩れ落ちた。


あの時、貴方が私を信じて救い出してくれていたら、違った未来もあったのかもしれない。


けれどそんな未来は訪れなかった。


貴方を一途に想って愛していた私はもう、どこにも存在しません。


さようなら、ジルベール様。


「お姉様、どうかお許し下さい! 少し魔が差しただけなんです! 身を引きますのでどうか!」


こんな下らない男はこっちから要らないと言っているのに、身を引くからなんて、どこまでも上から目線なのね。本当に虫酸が走るわ。


「はてさて、どこに貴方のお姉様がいらっしゃるのですか?」


「フィオラお姉様! お願いです、どうかっ!」


リリアナ、貴方は私がどんなに懇願しても、虐めを止めなかったわね。

地下牢で楽しそうにネタばらしをしてくれた、あの不快な顔が今でも鮮明に残っているわ。おかげで何を言われようが、一ミリたりとも心に響かないわね。


「貴方が私の事を本当にお姉様だと思ってくれていたのならば、偶然を装ってベランダから植木鉢を落としたり、毒の入った飲み物を飲ませようとしたり、階段から突き落とそうとしたりするはずなんてないでしょう? これまで私にしてきた事を、まさかお忘れになったわけではないでしょう? 魔が差せば、人を殺そうとしても許されるとお思いですか?」


「そ、それは……っ!」


「もう結構です。とても目障りなので、お二方揃って私の前から消えて頂けますか?」


衛兵に連行される、絶望しきったリリアナとジルベール様の顔を見たら、心底スカッとしたわ。


すぐに処刑しても面白くないし、あの二人には生きて地獄を味わってもらいましょう。


この世には、死ぬより辛いことがたくさんあるって教えてくれたのは、リリアナだものね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍1巻が『角川ビーンズ文庫』より発売中です!
呪われた仮面公爵に嫁いだ薄幸令嬢の掴んだ幸せ
(クリックでAmazon作品ページへ)

『B's-LOG COMIC』より、コミックス1巻が7月1日(火)に発売します!
呪われた仮面公爵に嫁いだ薄幸令嬢の掴んだ幸せ
(クリックでAmazon商品ページへ)

コミカライズの試し読みは下記のリンクをご利用ください!(1話無料でお読みいただけます)
カドコミ

+ + +
「第11回ネット小説大賞」で小説賞受賞
書籍1巻が『ブシロードノベル』より発売中です!
訳あり令嬢は調香生活を満喫したい! ~妹に婚約者を譲ったら悪友王子に求婚されて、香り改革を始めることに!?~
(クリックでAmazon商品ページへ)

『コミックグロウル』で、コミカライズの連載始まりました!
訳あり令嬢は調香生活を満喫したい! ~妹に婚約者を譲ったら悪友王子に求婚されて、香り改革を始めることに!?~
コミカライズの試し読みは下記のリンクをご利用ください!(1話無料でお読みいただけます)
コミックグロウル

+ + +
「第1回BKコミックスf令嬢小説コンテスト」で佳作受賞
コミカライズ単行本1巻が、『BKコミックスf』より、発売中です!
汚名を着せられ婚約破棄された伯爵令嬢は、結婚に理想は抱かない
(クリックでAmazon作品ページへ)

コミカライズの試し読みは、下記の先行配信先をご利用ください!
ピッコマ作品ページ

+ + +
COMICスピア コミカライズ原作大賞で、
準大賞と特別賞を頂きました!
2月22日(土)より、コミカライズ連載開始!
異世界転生して幻覚魔術師となった私のお仕事は、王子の不眠治療係です
(クリックでRenta!販売ページへ)

小説の電子書籍はコチラ↓ 異世界転生して幻覚魔術師となった私のお仕事は、王子の不眠治療係です
(クリックでRenta!販売ページへ)
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ