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全てを義妹に奪われた令嬢は、精霊王の力を借りて復讐する  作者: 花宵
本編

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13/22

12、ハッピーエンド

私の視線の先を見て、エルは赤面している。

けれど突然、ハッとした様子で眉をひそめた後、悲しそうに表情を歪めてしまった。


「フィオ、その……無理をしていませんか? 貴方が私を望んでくれるまで待ちますので、どうか無理だけはしないで下さいね?」


そうか、エルは私が無理をしていると思っているのね。

本当にどこまでも優しい人なんだから。


エルと婚約をしてから、私は過去を打ち明けた。

彼には全てを知っておいて欲しかったから。


だからだろう。そういう行為をする事で、嫌な記憶を呼び起こして私を傷付けてしまうかもしれないと、危惧されているのだ。


確かに、知らない男達に辱しめを受けた記憶はしっかりと残っている。

あの時はとても怖かった。


けれど、エルになら私の全てを捧げたって構わない。むしろ……


「貴方が欲しいんです。私の嫌な記憶を全て、エルでいっぱいにして欲しいんです。ダメ……ですか?」


「フィオ……分かりました。忘れられない一夜にしてさしあげますね」


エルは私をお姫様抱っこすると、壊れ物を扱うかのように、優しくベッドへ下ろした。


そして、私の嫌な記憶を一つ一つ消し去るかのように、優しく触れてキスの雨を落としていく。


「愛しています、フィオ。君の全てを、私に下さい」


「エル、私も、貴方を愛しています。世界中の誰よりも、ずっと……貴方が大好きなんですよ」


だから、私の全てを貴方にあげたい。

言葉で伝えても、全然足りない。

もっともっと、知って欲しい。


絡み合う吐息はどこまでも甘くて。

感じる温もりはとても心地よくて。


恥ずかしいとか、怖いとか、痛いとか。

そんな感情が全て吹き飛ぶくらい、エルは私を優しく包み込んで溶かしてくれた。


愛する人と一つになれる事が、こんなに嬉しくて幸せな事なんだって、初めて知った。


一生忘れられないくらい、幸せで素敵な結婚初夜はこうして幕を閉じた。





翌日──


「すみません、フィオ。貴方が可愛すぎて、つい無理をさせてしまいました」


「幸せの証だから、いいんです。それにエルの色っぽい表情を堪能できて、私も嬉しかったですよ」


腰が痛くて立ち上がれなかったのも、きっといい思い出になるよね!

それにこの痛みはエルがくれたものだから、それさえも愛おしいと思えてしまうから不思議だ。


「それは、フィオの方です……」


昨夜の事を思い出したのか、エルは恥ずかしそうに頬を赤らめている。

こういうところは本当に可愛い。


「エル、もう少しこちらに来ていただけますか?」


「はい。こちらでよろし……」


不意打ちで、唇に触れるだけのキスをした。


「朝起きたら、おはようのキスがしたいんです……ダメ、ですか?」


「ダメじゃ……ないです」


「夜寝る前にも、おやすみのキスがしたいんです……ダメ、ですか?」


「むしろ……歓迎です」


「お出かけする前にも……」


「いつでも……歓迎です」


「ではもう一回しても、いいですか?」


「フィオ……もしかして、私を誘ってますか?」


「はい……少しだけ。だって、エル。私がお願いしないとしてくれないから……」


「ずっと、我慢してたんです。フィオを怖がらせたくなかったので……」


「エルなら、大丈夫です。怖くなんてないですよ。これからは……いつでも、好きな時にしてください」


「分かりました。それなら……」


間髪入れずに、エルは私の唇を塞いだ。次第にそれはエスカレートして──



「すみません、フィオ! また無茶をさせてしまいました……」


「大丈夫ですよ。今日は事前にお休みをもらっていますので。一緒にのんびり過ごしましょう? それに……エルの温もりをいっぱい感じられて嬉しかったです」


「そうやってまた可愛いことを言うから……っ!」


「可愛いのはエルの方ですよ。その照れた顔が、最高に可愛いです」


ああ、とても幸せだな。

これから毎日エルと一緒に居られるなんて、本当に夢みたいだ。





その後、ルクセンブルク王国とローザンヌ帝国では、とある恋物語が有名になって語り継がれるようになった。


『国境を越えた聖女と王子の恋物語』


私とエルをモデルにしてつくられた物語だ。

酒場に行けば吟遊詩人がその物語を語らい、劇場に行けばミュージカルの金字塔として演目を楽しむことができる。


こっそりエルとそのミュージカルを見に行って、お互い恥ずかしすぎてあまり劇に集中出来なかったのも、後から思い返してみればいい思い出になった。


可愛い子供達に囲まれて。

素敵な旦那様がいつも傍で支えてくれて。


私は今、とても幸せです。


こうして平和な日々を送れるのも、全てユグドラシル様のおかげです。

だから私は今日も聖女として、頑張って皆にユグドラシル様の偉大さを伝えていこうと思います。


それで少しでも、恩返しになれば幸いです。



『フィレオニアの民達よ。未来永劫其方達の幸せが続くよう、我はずっと見守っておるぞ!』









Fin.

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!


久々に書いた小説だったので拙い部分も多々あったとは思いますが、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。


番外編として、最後にアズリエル(ヒーロー)視点の話を追加しようかなと、現在執筆中です。


面白かったと思われた方は、ブックマークや広告下のポイント欄から、☆☆☆☆☆(5段階評価)を押して応援して下さると嬉しいです。執筆の励みになります!

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