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レラの語調が強くなった。
「お前の再生システムの材料、そして、指先の武器の弾丸を造る材料でもある」
「………」
「『酸素』の濃度を下げた」
「………」
「お前は、あたしとの戦闘で、この部屋の酸素をどんどん消費した」
さらに1歩、レラが踏み出す。
「そして、酸素が尽き、お前は再生できなくなった」
「レーーラーーーッ!!」
マンマが金切り声をあげた。
「私は気分が悪いわ! もう、親子ゲンカは止めましょう! さあ、仲直りするのよ!」
「お前の魔法は解けた」
レラが言った。
マンマがフラフラとレラに近づく。
我が子を抱き締めようとする母親のように、レラに手を伸ばす。
「シーア・デスモティア」
レラが言った。
銃声が轟く。
何度も。
何度も。
何度も。
惑星シャールの大都市スミガン郊外の廃工場、すなわち「錬金術師」メフィストのラボ。
時刻は昼下がり。
マンマ・ハッハを殺し、帰ってきたレラをメフィストは両手を広げ、迎えた。
メフィストがレラをハグする。
「やったね、レラ」
メフィストの笑顔。
レラも自然と笑顔になった。
「君は、ついに復讐をやり遂げたんだ」
「メフィスト、ありがとう」
レラの瞳とメフィストの左右で違う色の瞳が見つめ合った。
「本当に感謝してるわ」




