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しかも速い。
何だ、このデタラメに正確な射撃スキルは!?
サイコキネシスの有効射程に入った弾丸をラスプーラは空中で止めた。
「モッキュ、メフィストの弾を!」
ジローが言った。
モッキュからマガジンを受け取る。
大口径ハンドガンの弾倉を外し、受け取った物をセットする。
流れるような動作。
これも速い。
ラスプーラは焦った。
敵に挟まれた状態では身動きがとれない。
しかもジローの攻撃は速く、正確だ。
このまま攻撃され続ければ、サイコキネシスのキャパをオーバーする可能性がある。
ジローに集中しなければ。
ラスプーラは赤いワンピースの女の位置を確かめた。
居ない!?
女が居ないぞ!?
ラスプーラの警報が鳴った。
右後方から、近づく敵意を感じる。
女か!?
女が俺の視界外を回って、迫ってきている!?
こんな動きは、あり得ん!
こいつは俺の能力を知り尽くしている!
そうでなければ、こんな動きはしない!
ジローの身体が赤く光っている。
次の攻撃が始まるのか!?
ラスプーラが、そう思った瞬間。
突如、7発の弾丸が、1度にラスプーラの視界に飛び込んできた。
バカな!?
この速さは異常だ!
ラスプーラは思い出していた。
ハイブリッドソルジャー、ジローの特殊能力は「ブーストON」
ブレスレットから打ち込まれる増強剤によって、短時間だが超スピードで動ける能力。
それを使ったのか?
ラスプーラは全力で7発の弾丸を止めた。
この弾丸、普通の物ではない!
改造されている!
威力の高い弾丸を止めるため、ラスプーラのサイコキネシスは、さらに消耗された。
だが、これで終わりではない。




