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ジローは、じっとレラの眼を見ている。
「何よ?」
たまらず、レラが言った。
「いや…」
ジローが、ためらいながら言った。
「俺の知ってるミーコって奴に似てる眼をしてると思って…」
ジローは首を軽く振った。
「あんたには関係ないな、忘れてくれ」
ジローが眼をそらす。
「そうだ!」
メフィストが大声を出した。
「ジローとモッキュに見てもらいたいツールが、いくつかあるんだよ! 試してくれないか? ぜひ、データを取らせて欲しい!」
そこから、メフィストが次々と持ってくる戦闘用や情報収集用のツールの品評会が始まった。
新式の電磁徹甲弾を試す際、ジローはその射撃の腕前を披露した。
レラはジローのスピードと精度に瞠目し、舌を巻いた。
自分とさして変わらない年齢の男が、レラの心臓を撃ち抜いたガツビィ・ブロウウィンに近い射撃の腕を持っているとは純粋に驚いた。
ハイブリッドソルジャーとは、これほどのものなのか。
「この弾丸なら、かなりのレベルの強化装甲にもダメージを与えられる。ジローの大口径ハンドガン用だ。ただ、重量が増えてしまって、モッキュが大量に運ぶのは難しいかな」
メフィストが言った。
「常に、この弾で戦うわけじゃない。相手によって使い分けるから、モッキュが持てる範囲でいい」
ジローが言った。




