表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/109

66

「さすがだわ、姉さんたち」


 霧の中から女の声と、ゆっくりとした拍手の音がした。


 霧から現れた女。


「「何故!?」」


 2人が叫ぶ。


「姉さんたちは、お互いの動きや仕草を知り尽くしてる。だから、偽物は、すぐに分かる」


 女は姉妹の顔を交互に見つめた。


「あたしは姉さんたちを別々に襲って、変身能力を印象づけた。そして、そのときに…」


 女の淡々とした口調。


「姉さんたちの身体に触れた」


 イジーとワールが息を飲んだ。


 2人とも、身に覚えがあった。


「触れた箇所を姉さんたちに気づかれないギリギリまで凍らせた。その部分の動きが、いつもと微かに変わっているはずよ」


 イジーは自分の左肘を、ワールは自分の右ヒザを見た。


「普段なら少しの変化は『調子が悪い?』で済むかもしれない。でも、戦闘中は、どうかしら? 特に、どんな姿にも変身できる敵との戦闘中は?」


「「ギャーッ!!」」


 イジーとワールが、同時に叫んだ。


「姉さんたちは、お互いを偽物と思い込み、斬り合ったのよ」


 女が言った。


姉妹は残った片眼で、女をにらみつけた。


「この詐欺師め!!」とイジー。


「よくも、よくも!」とワール。


 しかし、どんなに悪態をつき、憤怒の炎を瞳に燃やしても、2人の頭部のダメージは、もはや致命的だった。


 今は、風前の灯火が消えるまでの時間。


「シーア・デスモティア」


 女が言った。


 そして、霧の中に姿を消した。


((何ですって!?))



 2人は顔を見合わせた。


「今のは…砂漠トカゲの言葉!?」


「そんなバカな!? あの女は死んだはずよ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ