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イジーが言った。
戦闘中とは思えない、軽い口調。
レラに攻撃をかわされはしたが、およそ、その実力を把握した。
アタシたちより弱い。
逃がさないわよ。
イジーとワールは、ほぼ同じ容姿をもつサイボーグ。
スーパーモデル並のプロポーションと身長。
長く美しい髪。
イジーは金髪、ワールは銀髪。
レラを追いながら、2人が掌中に持つビームソードはイジーが赤。
ワールが青。
「そうね。この女を捕まえて、さっきの女の居場所を吐かせないと!」
ワールが言った。
通常モードのレラを別人だと思っている。
前方に、3人の女たちの10倍はあろうかという高さのスクラップの山が現れた。
レラが、山を登りだす。
速度が落ち、背後の2人が追いついた。
「「もらった!」」
イジーとワールが、同時に叫ぶ。
2人が振る4本のビームソード。
赤が2本、青が2本が変幻自在の動きを見せ、レラに襲いかかった。
レラは首だけ振り返り、巧みに身体を流動させ姉妹の猛攻撃を、かわそうとした。
しかし。
2人の異常なまでに息の合った斬撃は、無数のフェイントを生み、さらにフェイントのフェイントへと派生し、その動きを見切らせない。
レラが、かわしきったと思った攻撃は右の足首を斬り飛ばした。
「クッ!!」
レラは、すぐさま足首の部分を変形させ、代わりの足先を造った。
斬り落とされた部分は、もうコントロールできず、スクラップ山の下へと転がっていく。
「「アハハ!」」
姉たちが笑った。
「なるほど! グニャグニャ女か!」とイジー。
「でも、斬れば切り離された先は死ぬ!」とワール。




