60
ワールがニヤニヤと笑った。
「この猿を痛めつければ出てくるでしょう。早く出てこないと、死んじゃうわよ~」
イジーが言った。
「次は、どこに穴を開ける?それとも腕を斬り落としちゃう?」
「「アハハ!」」
2人が同時に笑った。
レラはエネルギーゲージを再び、確認した。
あと2分。
「何故、アタシたちを狙った?」
イジーが訊いた。
うって変わった、静かな声。
静寂。
そして、メフィストの絶叫。
レラは両拳を握りしめた。
指が当たった、手のひらの部分が圧迫される。
「さあ。この猿、どこまで、もつかしら? 次はホントに腕を落とす? それとも脚?」
ワールの声。
「聞いてるんでしょ? 出てこないと、仲間の猿が死ぬわ。血が、いっぱい出てる。そんなには、もたないわよ!」
イジーの声。
楽しさを隠しきれない口調。
「ああ。弱い奴をイジメるのは面白いわ。ゾクゾクしちゃう」
「イジー、あなた、次で殺しちゃうのじゃないでしょうね? この前も情報を訊き出すはずが獲物をすぐに殺して、後が大変だったでしょ!」
「アハハ! そうだったわね、ワール! だって、首をはねる瞬間、すごく気持ち良くなっちゃうんだもん!」
「分かる、分かる!」
ワールの声が1音、高くなった。
「アタシも気持ち良くなるわ! キュンってなるよね!」




