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状況は絶望的だ。
このままでは、待っているのは確実な死。
男たちは決意した。
彼らは全ての装備を活用し、アンドロイドの大軍へと、最後の突撃を敢行した。
狙うのはテンマ。
テンマを倒せば、生き残れる。
男たちは重火器や、果ては手榴弾までを駆使し、テンマに迫った。
すると、一斉にアンドロイドたちが、傭兵たちの進路へと殺到した。
鉄の壁となって、テンマを守る。
最初は勢いがあった男たちも、1人、2人と倒れ、一旦そうなれば周りのアンドロイドたちに囲まれ、のしかかられ、生命を奪われた。
「ハハハ」
テンマが笑った。
何ということもない。
簡単な任務だ。
心配はない。
そういえば…このところ、やたらと忙しくなった。
それは何故か?
マンマ・ハッハの部下が短期間のうちに正体不明の何者かによって、4人も倒されたからだ。
「魔弾」「剛腕」「闇爪」「戦士」
全員、簡単に倒される者たちではない。
敵は相当な戦闘力を持つに違いない。
4人が居なくなった分の仕事は当然、残りのメンバー、すなわちテンマたちに回ってくる。
そのために、こなさなければならない雑事が増えていた。
(さっさと片づけて、マンマに報告せねば)
テンマが、そう思うのと、5人目の傭兵が倒れるのが同時だった。
テンマの前方で、何かが動いた。




