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男たちは犯罪組織「黒龍」に雇われた傭兵たち。
「バイパー」の麻薬製造工場を襲撃した彼らは待ち伏せによる逆襲を受け、この場所に追い込まれた。
情報が「バイパー」に洩れていたのだ。
傭兵たちを攻撃しているのは、たった1人の男。
「バイパー」の幹部マンマ・ハッハの配下「操り師」テンマ。
彼の操る100体はあろうかというアンドロイドによって、最初は20人いた傭兵たちも、今や5人を残すのみ。
テンマのアンドロイドたちは大昔の、それこそ、糸で頭上から操る人形に形状が似ており、ガチャガチャと騒がしい音を立て、お互いにぶつかりそうになりながら前進した。
男たちは舞台中央で固まり、手持ちの銃器を乱射していたが、テンマのアンドロイドたちの厚い装甲を破壊するには至らなかった。
不気味な動きで、ゆっくりと傭兵たちに迫るアンドロイドたちの後方には、やはりアンドロイドに囲まれたテンマが立っている。
黒いトレンチコートを着て、黒のハンチング帽を目深に被っていた。
アンドロイドたちは脳改造を受けたテンマの意志によって、手足の如く操れるのだ。
「まったく、往生際が悪い」
テンマが呆れた口調で言った。
「そろそろ諦めたら、どうだ? この数のアンドロイドから逃げられると思うか?」
傭兵たちも分かっていた。




