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ジェロニムは、ついに両手を前に着いた。
目の前に立つレラを下から見上げる。
「お前は弱い。弱さは罪だ。罰を与えないと」
レラが言った。
玉のような汗が、ジェロニムの顔から吹き出し、したたり落ちた。
ジェロニムは首を横に振った。
俺が。
俺が弱いだと!?
このジェロニム様が!?
最強の「戦士」が弱いだと!?
レラは激しい炎をイメージした。
残りの全てのエネルギーを使い、身体を高熱化する。
「シーア・デスモティア」
レラがジェロニムに言った。
ジェロニムの記憶が刺激された。
何だ?
何と言った?
どこかで聞いた言葉だ。
女だ…女が言っていた。
レラの身体が跳んだ。
身体を横にし、回転しながらジェロニムの上に落ちてくる。
「女…お前は…あの!」
そこまで言ったジェロニムの頭頂部に、コマのように回るレラの右ヒジが直撃した。
灼熱の打撃にジェロニムの顔面の皮膚と筋肉は一瞬で燃え上がり、強化骨格のドクロが現れた。
全体重を乗せた渾身のヒジ打ちは、まだ止まらない。
超高熱は強化骨格を曲げ、溶かし、ジェロニムの頭部を完全に破壊した。
レラが地面に到達すると同時に、四つん這いになっていたジェロニムの身体も、バタリと倒れた。
「戦士」ジェロニムは死んだ。
レラの顔から、ガラスメガネが出現し、地に落ちた。
レラの姿が通常モードに戻る。
エネルギーを使い果たしたレラは、そのまま仰向けに倒れた。
荒野の風が、レラの熱い身体を冷ましていく。
「あと…5人」
レラは地面に右頬をつけ、呟いた。
惑星シャールの大都市スミガン。
大型劇場の舞台上で、男たちは絶望的な戦いを続けていた。




