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 両腕の前腕部の強化骨格に装着されたエネルギータンクを使用する。


 タンクが小さいため、1度しか使えないが不意討ちの効果は絶大だった。


 変形していたレラは文字通り、雷に撃たれたようになった。


 ジェロニムの手を避けるために変化していた身体が、元に戻る。


 全身がショートし、焦げ臭い煙があがった。


 レラが、その場に倒れた。


 すぐに立ち上がろうとするが、身体が痺れて動けない。


 レラは今までジェロニムの、この電撃攻撃を見たことがなかった。


 おそらくは秘中の秘。


 ジェロニムは獲物と一騎討ちするのを好んでいた。


 強敵にしか使わない奥の手ということか?


(くそっ!!)


レラは心の中で悪態をついた。


 この男、強い。


「お前は弱い。弱さは罪だ。罰を与えねばならん」


 ジェロニムが仁王立ちで、レラを見下ろした。


 レラの脳裏に、惑星シャールの地下鉄駅内での記憶が甦った。


 あのときもジェロニムは、同じ台詞を言った。


(以前のあたしは死んだ。この男を乗り越える。そして、マンマを殺す)


「死ね、女」


 ジェロニムがレラの首に手を伸ばす。


 その両手が。


 止まった。


 レラはジェロニムの顔を見上げた。


 ジェロニムの顔は。


 ひどく青ざめていた。


 たくましい腕が、微かに震えている。


「むう…」


 ジェロニムが息を吐いた。


 右ヒザを地面にドッと着く。


「何だ…これは…?」

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