45/109
45
打撃点を、ずらされたレラの蹴りはジェロニムのガードを崩せない。
ジェロニムがレラに、のしかかった。
左手がレラの首を掴み、押さえつける。
右手のパンチが、レラの顔面を打とうとする。
瞬間。
レラの頭がグニャリと歪み、あり得ざる形状で、ジェロニムの拳をかわした。
レラの右ヒザ蹴りが、ジェロニムの左耳へと唸りをあげて迫る。
ジェロニムはレラの首を離し、サッと退がった。
レラが瞬時に立ち上がる。
「女」
ジェロニムが言った。
「お前が3人を殺したな」
ガーウィン、マスル、キシャールのことだ。
女は答えない。
「だが」
ジェロニムが続けた。
「お前の能力は理解した。お前は俺より弱い」
ジェロニムが両腕を左右に大きく広げ、構えた。
レラも左腕を前に出し、斜めに構える。
「来い、女!!」
ジェロニムが吼えると同時に、レラの身体が疾った。
ジェロニムへと突っ込んでいく。
ジェロニムの広げた両腕が、左右からレラへと掴みかかった。
速い。
レラはジェロニムの両手が自分を掴む直前に、グニャリと変形した。
「剛腕」マスル戦と同じく、敵に触れさせない。
しかし。
突如、ジェロニムの両手のひらから、激烈な光が輝いた。
高圧の電撃。
ジェロニムの両手の指先に隠された電極から、放電されたものだ。




