44
弾丸の向かう先は。
バギーのエンジン。
バギーから異音があがり、車体が火を吹いた。
ジェロニムが車外へと飛びだす。
常人であれば、ただでは済まないスピードだが、ジェロニムは強化された筋力と体幹によって、軽々と無傷で着地した。
無人のバギーだけが走り去り、しばらく後に轟音と共に爆発した。
立ち上がるジェロニム。
その視線の先には、同じく地上に降りたレラが、にらみ返している。
ジェロニムがレーザーボウガンを構え、レラに狙いをつけた。
レラもハンドガンの銃口をジェロニムに向ける。
両者が走りだす。
お互いの武器を連射した。
液状金属ボディと反応強化ボディが、それぞれの攻撃を紙一重で、かわす。
2人の距離が詰まり、武器の弾丸が同時に切れた。
互いに武器を捨てる。
レラの身体が半転し、ジェロニムに背後を見せる。
それも一瞬。
レラの右拳の甲が、ジェロニムの右側頭部を襲う。
バックハンドブロー。
裏拳。
ジェロニムの右腕がレラの拳をガードする。
そのまま踏み込み、左のフックで、レラの顔面を狙った。
レラが、しゃがみ込み、パンチをかわす。
地上に右手を着き、レラの身体が跳ね上がる。
その勢いを利用した、下からの2段蹴り。
ジェロニムは両腕で顔面をガードし、レラの居る下方向へ身体を倒していく。




