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そうでなければ、これほど的確に俺の弱点を突けるはずがない。
これは罠だ。
俺をハメるための、俺を狙った罠なのだ。
キシャールが、そう思った瞬間。
すさまじい衝撃が、左の側頭部を襲った。
キシャールの身体が半回転し、頭が下になった。
何だ!?
何が起こったんだ!?
上下が逆になったキシャールの右側頭部に、再び強烈な衝撃が走った。
半回転した身体が、元の位置へと戻る。
そして。
今度は後頭部に何かが、ぶつかってきた。
頭が千切れ飛びそうな勢いで、キシャールは自らが壊したDJブースの残骸へと、前のめりに突っ込んだ。
脳が揺れている。
視界がグニャグニャと歪んでいる。
考えろ。
考えろ。
何が起こっている?
ブースを切り刻んでも、音が消えず立ち尽くしたキシャールの頭を何者かが蹴り飛ばしたのだ。
そして、身体が半回転し、頭が下になった。
攻撃者は、半回転したキシャールの身体が床に落ちる前に蹴り脚を戻し、今度は下段蹴りを放った。
再び元の位置に帰ってきたキシャールの後頭部へ、何者かの蹴りが叩き込まれた。
キシャールの混濁した意識は、途切れ途切れになりながら、恐ろしく格闘能力の高い敵のイメージを想定した。
危険だ。
危険な相手だ。
相手は暗闇の中でも、俺の位置を把握している。
暗視スコープか?




