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女の、あり得ない動きにガーウィンは、「魔弾」の軌道を変えるタイミングを逃した。
(思い出したぞ! あの女だ! あの女が言ってい)
「魔弾」はガーウィンの後頭部を撃ち抜き、ビルの屋上へと、めり込んだ。
女の姿は消えていた。
屋上には、ガーウィンの死体と見張りの男2人が首を折られた死体だけが残った。
「ウオオオーーーッ!!」
「剛腕」マスルが吼えた。
2mを軽く越す体躯。
全身はサイボーグ化され、容姿は鋼鉄のゴリラといったところか。
惑星クレルラモン、第2の規模を誇る都市レラモの銀行。
白昼、金塊を奪い、外へと出たマスルと10人の手下たちは、レラモの警官隊に包囲されていると気づいた。
マスルは、まったく怯まず、エアパトカーによって作られたバリケードの前へと歩を進めた。
「武器を捨てて、投降しなさい!」
レラモ警察の通達を無視し、マスルは1番近いエアパトカーへと近づいた。
「止まりなさい!」
マスルは止まらない。
危険を感じた警官たちが発砲を始める。
マスルの全身を被う装甲は、警察の攻撃に、傷ひとつつかない。
マスルの太い両腕が、1台のエアパトカーを掴み、軽々と持ち上げた。
頭上にパトカーを振り上げると。
「ウオオオーーーッ!!」
マスルが吼えた。
パトカーを放り投げ、別の車両にぶつける。
2台のパトカーは火を吹いた。




