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両眼だけでなく、脳も改造されたガーウィンからのリモートコントロールを受け、自在に着弾点を変えられる「魔弾」。
必殺必中の死の弾丸である。
そのため、最初の射出に際しては、ある程度の狙いさえつけておけば良い。
「魔弾」は強化ガラスを易々と突き破り、オフィスへと飛び込んだ。
そのままの軌道であれば、壁に命中するコースだが、次第に左へと弧を描いていく。
そして。
ターゲットの眉間を、寸分違わずに撃ち抜いた。
任務完了。
口元がほころんだガーウィンは突然、背後に気配を感じた。
見張りの2人か?
何かが起こり、知らせに来たのか?
何者かが、ガーウィンの背中に密着してきた。
豊満な乳房がハッキリと感じられた。
ブロンドの長髪が視界の端に、チラリと見えた。
女?
ガーウィンは混乱した。
この女は誰だ?
「フフフ」
女が鈴の音を鳴らすような声で笑った。
いつの間にか、女の腕がガーウィンの首に巻きついている。
(殺られる)
理解不能の状況の中、ガーウィンの生存本能が、スナイパーライフルの引き金を引いた。
発射された「魔弾」は急カーブを描き、最短距離でガーウィンの背中に乗った女の後頭部へと、真上から襲いかかった。
(バカめがっ!! もらった!!)
「シーア・デスモティア」
ガーウィンの時間が一瞬、止まった。
女が耳元で囁いた言葉。
何だ?
この女、今、何と言った?
どこかで聞いた…。
確かに、どこかで…。
「魔弾」は女の頭に。
当たらなかった。
女の頭は突如、形を変え、着弾する箇所に穴を開けた。
「魔弾」は穴を通り抜け、その下の。
ガーウィンの後頭部へと突進した。




