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「奴のスナイパーライフルの狙撃は、あたしと相性が悪い。それに、他の奴と戦ってるときに邪魔をされるのも厄介だから」
レラの答えにメフィストは深く頷いた。
「なるほど。理にかなってる。君の復讐心は業火の如く燃えあがっているが、極めて冷静な思考も保たれている。いいね、すごく良いよ」
メフィストの左右で色の違う瞳が、興奮で輝いた。
「マンマのチーム全員を殺すには、ほんの少しの失敗も許されない。確実に1人、1人、地獄に堕とす」
レラは口を真一文字に結び、いよいよ始まる復讐へと思いを馳せた。
惑星ザウムウッドの都市ラウド。
高層ビルが立ち並ぶビジネス街。
未だ工事途中のビルの屋上に「バイパー」の幹部マンマ・ハッハのチームの1人、「魔弾」ガーウィンは居た。
屋上からは、美しい夜景が見渡せる。
ガーウィンは30代半ばの長身の男。
ひげ面だ。
軍用の戦闘スーツに身を包み、防弾ジャケットを装備している。
その両眼はサイボーグ手術による機械眼。
遠方から敵の姿を捉えることが出来る。
右肩に愛銃のスナイパーライフルを下げている。
ガーウィンは2人の手下を連れていた。
ガーウィンと同じ軍服姿。
こちらは小型のマシンガンを携行している。
「入口を見張れ」
ガーウィンの指示で、2人は屋上の入口へと戻った。




