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1秒でも早く、妹の仇を討ちたかったが、準備不足や無策で倒せるほど、甘い敵ではない。
まずは思い通り、自由自在に、この身体を操れなければ。
メフィストはというと、工場内の、縦横3mほどあるカプセルを、しきりに気にして、机上のコンピュータ画面との間を何度も行き来した。
カプセルは2つあり、何が入っているのか、レラには分からなかった。
1度、レラが訊ねてみると、「ああ、ひとつは保険なんだよ。ゲームをしたことは? 僕はセーブ忘れが大嫌いなんだ。ゲームオーバーになったら、ずいぶん前に戻されるだろ? あれが耐えられない。だから毎日、必ずセーブするのさ」とメフィストは答えた。
まったく、意味が分からない。
「もうひとつは…これは科学的興味かな? いや、どうだろう? ちょっと今は上手く説明できないね…何故、こんなことをしているのか…自分でも分からない」
こっちも、さっぱり分からない。
レラは自分の訓練に専念した。




