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「イメージを激しくするほど、体表面の温度が上がっていく。鋼鉄も溶かすレベルまで到達できる。もちろん、あまり上げすぎるとボディが、もたないよ。次は氷をイメージして」
レラはイメージを変えた。
熱かった身体が、元に戻る。
それを通り越して、今度は冷たくなってきた。
レラの周りの空気が、キシキシと音を立てた。
空気中の水分が、凍り始めている。
「さっきの逆で、冷やせるわけだ。超巨大な冷蔵庫の代わりくらいは楽勝だね」
レラは息を飲んだ。
変身能力と冷熱の能力。
これならば、マンマのチームと渡り合えるのでは?
「この2つのモードは欠点もある。出力を上げるほどエネルギーが消費され、通常は3時間もつ戦闘継続時間が、どんどん短縮されていく」
メフィストは両手を挙げて、バンザイのポーズをした。
「魔法が解けた君は変身ツールをつける前に戻って…ただの女の子さ。そして、そこからエネルギーがチャージされるまでの1時間は、そのままで居なきゃならない」
「つまり」
レラの表情が険しくなった。
「1度、戦いを始めたら、魔法が解けるまでの間に奴らを殺さなければ…」
「ああ、君の死が確定する」
メフィストが真顔で言った。
その日から1週間を、レラは新しい身体の動かしかたを学ぶための訓練に費やした。




