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確かにミアに背格好や雰囲気が似ている。
ミーコたち今頃、どうしてるだろうな?
ジローは思った。
「ミア」
女の声がした。
ミアの後ろに1人の女が現れた。
ジローより少し年上か?
素晴らしいプロポーションの持ち主。
抜群のスタイルだ。
ミアと同じ装備を着けている。
ヘルメットは黒。
ステッカーは無い。
女は美しい顔をジローに向けた。
ジローと眼が合った。
知らない女だが…。
(この眼…)
ジローの記憶が刺激された。
どこかで見た眼だ。
ミーコに似てる…でも、もう1人、居た…こんな眼をした女が…どこで逢った?
「お姉ちゃん」
ミアが背後を振り返り、女に言った。
「エントリーしないと。行くよ」と女。
鈴を鳴らすような声。
ミアがモッキュを床に降ろし、名残惜しそうに手を離した。
自由になったモッキュがミアにウインクする。
「じゃあね、ミアちゃん。また逢える良いね」
「うん。モッキュちゃんも元気でね」
ミアがモッキュに笑顔で手を振る。
女がミアと共に、ジローたちに背を向けた。
ジローはまだ、女を眼で追っている。
記憶を探し続けていた。
女が振り向いた。
女の眼がジローを見た。
女が一瞬、微笑んだ。
「あ」
「どうしたの、ジロー?」
「あの女だ! あの女の眼だ!」
「え? あの女って?」
「ドクターメフィストと、いっしょに居た女だよ! 全然、姿は違ったけど」
ジローがモッキュの顔を見た。
「あの女と同じ眼だ」
ジローが、もう一度、女に視線を戻した。
大ホールで、ごった返す人々が見える。
女とミアは、いつの間にか姿を消していた。
おわり
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
大感謝でございます。
面白くまとまったと思います←手前味噌(笑)




