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「仕方ないよ。今回の仕事は条件が良いから。大人しく並ぼう、ジロー」


 モッキュがジローに言った。


 ジローが不機嫌になる。


 並ぶのが嫌いだった。


「わあ! かわいい!」


 突然、少女の声がした。


 人混みの中から現れた女の子がモッキュに駆け寄り、抱き上げる。


 ジローよりも少し年下か?


 あどけなさの残る、かわいらしい顔。


 市販されているコンバットスーツを着ている。


 頭にはピンクのヘルメット。


 ヘルメットにはホログラムアニメのキャラクターステッカーが、ベタベタと貼ってある。


 右の太ももに付けたホルスターに、初心者でも使い易いタイプのハンドガンが納められていた。


 女の子は抱き上げたモッキュの頬に自分の頬をくっつけた。


 モッキュの顔が押されて、ギュッとなる。


 ジローの両眼がヤキモチで三角になった。


「アワワ。ボクはモッキュ。こちらはパートナーのジローだよ」


 モッキュが女の子に言った。


 女の子がジローに会釈する。


「私はミアっていいます」


「ミアちゃん、よろしくね」


 モッキュがミアを見つめた。


「ジロー。ミアちゃんを見てると、チェイミーを思い出さない?」


 モッキュが言った。


 ジローは頷いた。


 以前、惑星シュトレルで出逢ったミーコと、いっしょに居た少女チェイミー。

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