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レラに耳元で怒鳴られ、メフィストは苦しそうな表情をした。
レラは怒りに顔を歪ませていたが、その瞳は涙目になっていた。
「あなたが、あたしにミアの話をしなかったのは何故か、教えてあげましょうか!?」
「教える!? 僕の考えを君が僕に教えるだって!? ああ、ぜひともその、ご高説をお伺いしたいね!!」
「あなたはね」
レラが、そこで瞳を閉じた。
涙がポロポロとレラの頬を伝い落ちた。
「あたしが復讐するのを見たかったのよ。あなたの趣味ですものね。ミアが、ほとんど元に戻って記憶も消せると知ったら、あたしが復讐せず2人で、どこかの星でひっそりと暮らすと言いだすかもしれない。そうなったら、大好きな復讐観察は出来なくなって、楽しみが無くなってしまう! そうでしょう、この変態野郎が!!」
レラの左手の指に力が込められ、メフィストのアゴを締めつけた。
それでも、メフィストは口を開いた。
「ああ、僕は確かに最低な変態野郎さ、それは認めるよ。妹さんを復元したのも何故、そんなことをしたのか自分でもよく分からない。君への感情も最初の頃は特別じゃなかったから、教えなかった。ああ、フェアじゃなかったかもしれないね!」
「あたしを騙したのよ!」
「ああ、そうだ。僕は自分が楽しむために君を騙した。でも、よく考えてみてよ! その後、僕は君の復讐の手伝いを献身的にして、果てはイジーとワール姉妹に殺されてまでいるんだぞ!」
「あなたにはクローンの保険があった。本当にあたしを想って、生命を懸けたわけじゃない! 自分の楽しみのためよ!」




