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「君の復讐も終わったし、ひとつ報告したいのだけど…」


 メフィストがモニターのひとつを見つめ、キーボードを叩きだす。


 倉庫に突如、低い機械音が響いた。


 レラは音の方向を向いた。


 メフィストが自身のクローンを管理していたカプセルの隣にある、同じ形のカプセルからの音だ。


 カプセルから蒸気が吹き出し、前面にある扉が左右にスライドした。


 蒸気が晴れると、開放された扉から1人の少女が出てきた。


 裸だ。


 少女の顔を見たレラが驚きの声をあげた。


「ミア!!」


 その少女は、まぎれもなくレラの妹ミアだった。


 髪の毛が短いだけで、他は以前、すなわち、死ぬ前と何も変わらない。


 レラはミアに駆け寄り、抱き締めた。


 その瞳には涙が光っている。


「ミア!!」


 抱きつかれたミアは最初、寝惚けたような顔をしていたが、次第に表情が、しっかりとしてきた。


 レラの顔を見て、戸惑っている。


「誰ですか?」


 レラに言った。


 レラはハッとなった。


 慌てて、ガラスメガネを装着し、元々のレラの姿へと変身する。


「お姉ちゃん!」


 今度はミアが驚き、レラに抱きついた。


 抱き合う姉妹の後ろにメフィストが立った。


「実は妹さんの家に行ったとき、彼女の皮膚を少し、もらっておいたんだ。それで、僕のクローンを造るマシンで妹さんを復元してみた」


 メフィストは、まくしたてた。


 何かを恐れているようだった。


「死後1日が経っていた割には、上手くいったと思う。記憶の復元率は90%くらいかな。もちろん、最後の日の記憶は僕が削除してあるから、妹さんが亡くなる1日前の状態だね」


 メフィストは、チラチラとレラを窺った。

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