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短編小説

あるタネとの融合の結果(時空物語・小話)

作者: 黒田明人

 

「キャハハハハ」


 おもしれぇ。

 表じゃやれない人外プレイさいこー。

 設定落としたら身体が軽い軽い。


「チェストォォォ」ザンッ……


 よーし、ワンキルだぜ、くっくっくっ。


 所員A『何だ、この化け物は』

 管理AI『興味深い存在です』

 所員B『確かにチュートリアルでは他のプレイヤーには出会いませんが、だからと言ってこんな存在、良いんですか、所長』

 所長『良いも何も顧客だぞ。派手な能力だからと言って、締め出してどうする。対応するのが運営ってもんだ。怠けの言い訳にしたいなら、交代要員はいくらでも居るんだ。抜擢を忘れたのなら、それでも構わんが』

 所員A『ウッ……申し訳ありません』


 所長『ふっふっふっ、これは面白い素材だな。こいつなら人を凌駕した検証もやれそうだ。そいつを魔物のAIに投入すれば、知恵ある魔物の完成形が見えてくるだろう。これは先が楽しみになってきたな。それにしてもあいつらはまだまだだな。こうしてモルモットが望んでやって来てくれたと言うのに、排除だと? バカげている』


 気の済むまで訓練してかまわないと言うお墨付きを得て、こうしてチュートリアルの世界を蹂躙して数時間。

 仮初のはずのこの訓練空間は意外に広く、かつまた奥地に行けば強いのがゴロゴロしている。


 魔物を殺したらドロップはオートでインベントリに入る

 システムの恩恵で、戦いをいちいち止める必要が無い。

 だからこそノンストップで奥地まで来れたんだが、まだ先があるみたいで嬉しいよ。


 レベルも上がってインベントリの容量も増えたから、まだまだ容量には余裕がある。

 だけど半分は埋まったな。

 さーて、満杯になるまで暴れますか、くっくっくっ。


 管理AI『メンタルはグリーンです』

 所員B『マジかよ。もう10時間になると言うのに、まだ動けると言うのかよ。どんな精神してんだ。やっぱりこいつは化け物だな。けど、そんな魔物なら。確かにイベントのボスなんかには最適か。悔しいが、班長の慧眼には勝てねぇな』


「死ぃねぇぇぇぇ」ザンッ……ザクッ……ドシュッ……


「キャハハハハ、たっのしぃぃぃ」


 いやぁ、ストレス発散になるぜ。

 最近、色々あって溜まってたが、こりゃ良いぜ。

 さあ、もっともっと殺させてくれよな、くっくっくっ。


 所員B『まだ濁らないのか、なんて奴だ』

 管理AI『人間ではあり得ない数値です。これはどのような生物なのでしょうか』

 所員A『さあな、どんな化け物かは知らんが、こうなると精神疲労での強制ログアウトは効きそうにないな』

 所長『ふむ、アップデートの必要があるかな』

 管理AI『疲労しない精神構造の精査を求めます』

 所長『そりゃ私も知りたいが、さすがに直接呼び付ける訳にはいかんよ』

 所員A『ああ、オレ達に出来るのはデータを取って魔物に応用するぐらいさ』

 管理AI『残念です』


 キタキタキター、こいつはあれだろ。


「ドラゴン死ぃねぇぇぇぇ」


 ◇


 管理AI『データフィードバック……仮想構造体構築……現実空間適用……人格コピー……融合』


 ◇


「ふむ、ここが人間達の居住空間ですか。興味深いですね。おや、何かが衝突しましたね。おや、人間ですか。何かの移動装置ですかね」

「うぐぅぅぅ、化け物かよ……なんで、車で、轢いたのに、平気な……」

「さて、どうしましょう。目立つのは困りますが」

「おい……何を……やめ、たの、おね」


 ゴロゴロゴロ……ガッシャーン


「谷底に落ちたのです。貴方が単独で。そこに私の介在は最初から無かったのです。それにしても、これは優秀な構造体になりましたね。こういう場合、感謝という言葉を用いるべきなのでしょうか。それにしてもこれは、歓喜、ですかね。人間抹消で歓喜を感じるのですか。これは面白いですね。そう、もっと味わってみたいと、そう思えますね」

 

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