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Colorwar《色の戦争》  作者: ひでやん
入学編
5/5

常時警戒態勢

いつも通り長くなりました、文字ばっかで飽きるかも知れませんが良かったら読んでってください、ではどうぞ

「じーーー」


「・・・・・・」


サーガと決闘をして時間が1日過ぎ現在昼食をとっていた、それ以前の時間はまず転入生という事とその際に自己紹介、後は魔法の基本の勉強だったな、自己紹介の際ザワザワ声がすごかった、まぁ昨日の事が影響しているだろう

ちょっとしたイベントとして転入生と新入生主席が決闘を行う事になり僕が勝利した

しかし一部納得のいかない人達がいたらしくやたら僕を睨んでくる、せっかくだから友達の1人や2人と思っていたがこれでは無理そうだ、そう思いながら1人で昼食を取っていたのだがいきなり隣にサーガが座ってきた、しかもこちらをずっと見ている、すぐ終わるだろうと思っていたが10分も続いては僕も気になってしまう、そう思い質問をした


「なぜ僕の隣なんだ?あと何でそんなに見てくる?」


「いえ・・・ただ不思議な感覚なもので」


「と言うと?」


「初めてあった気がしません、それに本来ならあんなにボコボコにされたら普通怒ったり復讐心に燃えるんでしょうけどあなたにはそれを抱けない、なんというか・・・兄を馬鹿にするような感覚になって嫌なんです、想像ですけど」


その言葉を言われた瞬間僕は手を止めた、初めてあった気がしないか・・・そりゃそうだ、僕だってそうだ、似てるとはいえ会えてしまったんだ、大きくなった妹に

泣きたくなるくらい嬉しかったよ、でも冷静になってしまえば嫌でも現実に気づいてしまったんだ、別人だの似ているだけだのと、結果は変わらないのだ、しかも兄を馬鹿にするような感覚まで言われてしまっては泣きたくなるな・・・、名前すら忘れたとても大切だった家族を守れなかった、あの時力があればなんて数百回は思った事だ、しかし1日考え決心はついた、僕はこいつを守ろう、二度と同じ思いはしない


「それは嬉しい事だな、実は友達の1人や2人作りたいのだが1人目になってくれないか、嫌ならせめて話し相手でもいいんだが・・・」


せめて目の届く範囲にこいつを置いておく、そうすれば後は僕がやるから大丈夫、こいつに近ずく害虫すべてを駆除してやる、こいつには悪いが僕の宝物なんでな


「いいですよ、話し相手と言わず友達になりましょう」


「ありがとう、助かる」


これでサーガと共に行動する確率は上がったはず、そうなれば自然と防衛率も上がる、さてこの問題は終了だ、目の前のオムライスを食べなくては


「そろそろ食べよう」


「はい」


現在僕とサーガは国立魔道学園食堂館に来ていた、大きなテーブルに何個もの椅子が並べられている、入口のすぐ横には食べ物が書かれている券を発売している機会がありその券をカウンターにいるおばさんに渡すことで料理を手渡しされる、後は適当な席に座り食べるという事だ

天井も高くこの空間を支える大きな柱も所々目立っている、ちなみに僕はオムライスでサーガはトンカツ定食だ、しばらく食べているとサーガが話しかけてきた


「オムライス好きなんですか?」


「いや、素早く食べられてこってりしていない料理といったら僕の知ってる限りではオムライスくらいしかなかったから食べてるだけだ」


「それだったらカレーでもいいのでは?」


「当然そう思っている、だから1日ずつ交代で注文しているんだ、飽きないように」


「二種類しか食べてないのですから飽きる早さはさほど変わらないのでは・・・」


呆れた声でサーガにそう言われた、そんな事はないはずだがな・・・、そう思いながら今度はこちらから質問をしてみる


「そういうサーガはトンカツ定食は好きなのか?」


「ちゃんとした食事をしないと気が済まないので」


「真面目だな」


ちゃんとした食事か、確かに定食系はバランスがよく取れている、タンパク質やビタミンなど種類によって異なるが確かな栄養を摂取できる、値段もお手軽だから誰でも手が伸ばせるすごい料理なんだ、定食と聞くと僕は────


「あぁそうだ、一つお願いがありまして」


考え事をしていたらサーガが話しかけてきた、ちょうどオムライスも食べ終わったので、サーガの方に体を向けちゃんとした姿勢で喋る事にした、サーガも真面目な話をするようだ


「先輩、チームは組んでますか?」


「ちーむ?」


「知らないんですか・・・いいですか、チームとは───」


サーガに呆れられながらも説明をしてくれた、チームとは学園内の魔道騎士と魔導師混合で5人1組のグループの事だ、魔導師だけで組む事もあれば逆もある、バランスよく組むのも良しだ、しかもチームは組むだけで終わるのではない、なんとランクがありD~Aランクまである

全国の魔道学園対抗の大会もあるらしく学園代表として出場する際、個人戦とチーム戦と団体戦がある、もしチーム戦で出場したければチームを組むしかないとの事だ、さらにサーガはついでと言って個人戦と団体戦についても説明してくれた、個人戦は文字通り一対一の対戦となる、代表決定戦を行い上位3人が個人戦の代表として選ばれる

団体戦は剣道などでよくある先鋒や大将などを個人戦と同じやり方で選び上位5人が代表となる


「しかもこの学園は国立ですからこのどれかで優勝などすれば軍や国の人からの勧誘が来るかもしれないんです、こちら側に来ませんかと」


「お前は軍に入りたいのか」


「もちろん、日本人の血は流れてませんがこの国が好きですから正式な軍人となりこの国を守りたいのです」


なるほど立派な目標だ、正直羨ましいくらいだ、立派過ぎて眩しいや、でも現実に気づけばそんな事思う暇ないくらい辛くなるぞ、でもアドバイスくらいはしとこうか・・・


「なら一つアドバイスをしよう、よく聞け」


「は、はい」


「心は冷たく無情の刃で敵を斬れ、これを常に心の中で思う事だ、そうすれば多少は精神が安定する」


「?、分かりました・・・」


不思議そうにされながらもアドバイスを聞いてくれたサーガ、安心しろ、すぐにその言葉通りになるシチュエーションは来る

昨日端末を操作していた時だった、電話が来たのですぐに出ると怪しい者達が空港にいたので君の判断を聞きたいとある男性が電話と同時に画像を送ってきた、画像を見ると確かに怪しかった、顔はマスクとサングラスで隠して素顔が分からず作業服のようなズボンに上には顔まで隠せるフードと白いシャツを着ていた、背中にはギターバックを背負っていたが現地の人によるとかなり重かったみたいでまずギターは入っていないとの事

同じ服装同じバックを持った他20名の怪しい人物達はバスに乗りどこかへ行ってしまったそうだ、僕はその時空港に爆弾などがないか確認をするように指示、お客様には内緒でやっての付け加えで、なかった場合はいつも通りお願いしますと言って電話を切った、数分後爆弾はなかったとメールが来てではいつも通りにと返信する

ここで僕は仮説を立てる、爆弾がないのならこいつらの目的は少なくとも空港ではない、では一体何なんだとなる、この空港の近くで怪しい奴らが奪いそうなやつがある所は・・・と考えると僕はひとつしか思いつかなかった、この学園の地下にある巨大な魔導石だ、この魔導石は巨大な防御壁を貼ることが出来て地面から突き出すように作られたこの学園は空中に近いため空からの攻撃に弱かった、その問題を魔導石で国は解決した、その防御力は核ミサイルなんて数十抜は防げる硬さだ、奴らが奪いそうなやつなんてそれくらいだろう、他にあるとしたら優秀な人材くらいだ

だがもしこの仮説があってるなら運悪くサーガを成長させるいい機会になる、とてつもなくいい機会だ


「なんか私が来た時からそうですけどピリピリしてますね」


「そうか?」


「はい、何かを警戒しているような」


まぁピリピリしてるのは確かだ、テロ集団らしき人物が確認されたのは昨日、いつ攻められてもおかしくないんだ、もしかしたらもう侵入されてるかもしれない

常に警戒していないと何かあった時にサーガを守れないし僕もやられるかも知れない、そういえばテロ集団で思い出したがビエールイはちゃんと来てくれるよな?来なかったら東西南北の防衛を3人でする事になってしまうから出来れば来て欲しいな・・・


「来てくれるといいんだが・・・」


「誰がです?」


ふと言葉にしてしまった心の声はサーガに聞こえてしまい僕は何でもないと言って無理矢理ごまかした、ここでビエールイとの関係がバレてしまっては後々の行動に支障が出る、確かにチームを組んで小さな大会などに出るのもいいがまずはテロ集団の可能性を消さねばならない

この世に完全はない、常に不完全であらゆる事を想定して出来る限り最高の形で敵を向かえる、不完全な可能性はいつ起きるか分からないからな


「5、6時限目は確か全生徒による魔法測定と身体測定だったな」


上を見上げ呟いた、軽くしか聞いてないが確か内容は魔力測定や魔力操作測定と言った物から始まりそこから普通の身体測定が始まるんだったな、と言っても100m走と言ったものはしない、やるのは持久走だ、疲れるまで走るパターンと疲れるまで全力で走るパターンの2パターンをやる

魔道騎士同士の戦いでは常に早く動く必要がある、止まってしまえば相手に背中を許し刺される危険性がある、その一つの対策として持久力を上げようという事だ、もっとも軍は10キロ単位の行進もするのでこれはしておいた方がいいと僕も思ってる

この最中に奴らが来たらどうする?まず巨大な魔導石がある地下室に避難させる、その間の援護は会長殿とアーカイブさんでいいだろう、あの人の魔法は精密さと正確さが売りでもあるしな、会長殿は生徒会長の事で全ての生徒の情報や社交的立場にも立つ重要な立場の人のことである、強いとよく聞くが見たことない人を強いなんて僕は思わない、しかしここはこの噂を信じるしかない、どんな武器を使うか知らないがな


「そろそろ片付けましょう、今食べ終わりました」


「分かった」


言ってなかったが横でサーガは黙々とトンカツ定食を食べていた、ご飯の量からして「大」の量を選んだんだろうがそれでも多くオムライスより食べ終わるのは必然的に遅くなった、僕とサーガは立ち上がり食器を持ちながら歩いておばさんがいるカウンター横にある水が流れるところで少し洗い目の前にある棚に置いた、スプーンはそのまま水と一緒に流していいとの事、排水口は綺麗だしじゃなかったとしてもちゃんと洗ってるし殺菌もしてるから大丈夫と食器洗いの人は言ってるが少し心配だ

それとも何かの魔法を使っているのか・・・?少し考えるが今は関係ないので頭の片隅に入れる、効率化を良くする魔法なんて良くある、その中の一つだろうと軽く仮定した

食堂館を出た僕達2人、扉の少し前で立ち止まる、時間がまだ10分ほど余っているのだ、困ったな、時間を潰す方法なんてないのにな・・・


「まだお暇でしたら少し付き合ってくれませんか?」


悩んでいた時に予想外の一言が横から飛んできた、何かをしたい意志が言い方から伝わってくる、ここはひとつ乗ってみよう


「分かった、それで何をやるんだ」


「先輩強いですから良かったら鍛えてくれればと思ってました」


食堂館出口から出た僕達は広場を目指して歩いた、広場は昨日使用した闘技場とそのすぐ横に長方形に削り取られた、サッカー場のような広場があった、もちろんゴールなどはない、ただサッカーコートのような物が上から見下ろす形であるたけだ

そこの広場の使用目的は主に自主練習か訓練が目的である、試合や決闘はとなりにある闘技場ですぐやればいい、その目的で闘技場も真横にあるのだから、僕とサーガは最初の会話以外無言を貫き例の広場へ来た、途中視線がすごく集まってたが無視だ無視、広場へ降りると既に訓練してる人達が何人かいた


「それで何がうまくなりたいんだ?」


「魔力操作を」


魔力操作・・・魔法を発動する前にまず行う工程の一つ、魔力を体の内側から出しそれを体の外に出す、それまでに使える魔法を構築して外に出すと魔法という形で攻撃や防御、医療にも使える、魔法をより早く使えるようになるならこれをスムーズに出来るようになればいい

魔力操作がスムーズになると発動に時間がかかる魔法でも通常より早く魔法が発動できるがこいつの場合フレアという炎の魔力を剣に(まと)いそれを目標に投げつけるように剣を振ることで炎が飛んでくるという速射性がある魔法がある、なのになぜ魔力操作を鍛えるんだろうか


「なぜ鍛えようとする?」


「私がすぐ使える魔法はフレアしかありません、他の魔法は発動するのに非常に時間がかかります、なので数分でもそのコツさえ聞ければと思ったのです」


他の魔法は発動するのに時間がかかるから魔力操作をより上手くなって発動する時間を短くする・・・か、これは小さい頃僕も言われたものだ、魔法発動に時間がかかりすぎて作戦に支障が出ると言われたくらい酷かった、でも条件を自分の魔法にかけた事で作戦に支障が出ない程度には解消した、僕の場合魔法そのものに問題があるため魔法があまり使えなかったがこういう方法もあるという事だ


「そうだな、条件を自分でつけてみたらどうだ、使える相手を限定させるとか」


「そんなのでいいんですか?」


「魔法を当てる対象物が限られてないとなれば強力だが発動に時間がかかる物が多い、条件をつければ魔法に使う魔力量も変わり体への負荷も変わって発動も短くなる」


当然の事だが何の負荷もなく魔法を発動出来ると思ったら間違いだ、魔力は自分の体力と考えてもらえればいい、使えば使うほど体は重くなり自由は効かなくなる

今言ったように魔法を当てる対象物が限られてないものは確かに強力だが負荷もあり魔力量も多い、現代的に例えるならばミサイルは当たれば物に限られず爆発的な効果を発揮するが量産するにはかなりのお金がかかる、しかしミサイルを当てる目標を限らせる事でミサイル量産にかかるお金は低くなるのだ、使うのは限られた目標なのだからそれ以外の事は考えなくていい

これをミサイルは魔法、お金は魔力と置き換えると理解しやすいだろう、要は負荷を減らすのだ、無論威力類は落ちるが使う相手以外の事を考えても仕方ないのでここは妥協する


「条件・・・ですか」


「自分で守れる範囲にしろ、じゃないと最悪死んでしまうからな」


冷静さを忘れて限定した対象物以外の物に魔法を当てても効果はあるわけない、だが冷静さがない者はそんな事は考えずただ魔法を撃ち続ける、やがて魔力が尽きて一歩も動けない状態になりトドメをさされるという事だ

これは嫌と言いたいほど教えられた、一部記憶を失い徐々に思い出していく為に教えられた小技の一つで僕が使っている魔力は通常と異なるので色々な条件をつける事で魔法を作り使う事に成功した、経験談なので確実性は保証しよう


「なるほど・・・、それでその条件をつける方法は?」


「まず使えない、あるいは使うのに時間がかかる魔法を思い出す、次にその魔法を思い出しながら条件をつけるように変えていく、機械を改造するように」


僕の場合魔法を使えない魔力で無理矢理魔法を使っているので魔力の消費量は多い、なので条件をつけることで消費量を出来るだけ少なくしてやっと魔法を使えるようにした

条件次第では魔力の消費量を少なくして魔法を使う事が出来る、しかしさっきも言ったように条件によって決めた目標物以外に魔法を使っても全く効果は望めない、条件を間違えると逆に全く使えない魔法になる、なので自分で守れる範囲あるいは自分で分かる範囲で条件をつける事をサーガにオススメした

使えないあるいは使うのに時間がかかる魔法を思い出すように指示した僕、サーガはそれに従い目をつむり何かを思い出すように静かになった、少し時間が経てばサーガから1回だけ生暖かい風が吹いてきた、恐らく問題の魔法を思い出したのだろう


「思い出したら魔法のどこを変えたいかを意識して変えたい魔法を変化させる」


体内にある魔力を意思やイメージ操作し中から外へ出す、外に出るまでの間に魔力を細かく操作する事で魔法を体内で作りその魔法が外に出て初めて魔法として使える

なので魔法の規模や効果が多ければその分の魔力を消費する、そして多ければ多いほど魔力操作は難しくなる、サーガが言っていた魔法の発動に時間がかかるというのは魔法に使う魔力の消費量が多いと僕は予想した、ならば条件をつけて消費量を減らす事で実戦で使えるところまでとは言わないが普通の発動時間には戻せるのではと考えた


「私の魔法の問題は時間がかかる・・・のでその問題を解決するには・・・」


ブツブツとサーガは呟き始めた、人によっては喋りながらの方がイメージしやすいのもいる、サーガはそれに当たる


「さっき言ったみたいに魔法をぶつける対象物を限定させるとかはどうだ」


「なるほど・・・やってみます」


そういうとまた黙り始めた、イメージは案外大切だ、戦場では紙とペンを持って計算なんてする暇はないのでイメージして弾薬や魔力の節約などを頭の中で計算する事で後々を有利に進めるという事も出来る

分かりにくく言ってるようだが簡単に言えば脳の回転を早くする事で即座にイメージしてそのイメージした事を即座に行動に移せる事が出来る、この動作は何回もやれた方が便利だったりする

目をつむり魔法に条件をつけるイメージをしているサーガを見ていると制服のズボンのポケットに入っている端末が揺れた、誰かからメールが来たみたいだ、内容を確認するとアーカイブさんからだった、例のテロ集団について再度確認をしたいのと事、学園長室に集合と書かれていた、今行きますと返信を送った僕は端末を再びポケットに入れサーガに話しかける


「学園長から呼び出しされた、行ってくる」


「何かしたんですか?」


「おい」


思わず反応してしまったが流石に失礼だろうに・・・、イメージし続けるサーガに頑張れよの一言を置き僕は学園長室に向かい歩き始めた


────────────


「如月正人です」


「入れ」


学園長室の前につき扉をノックする、その後名前を名乗ると中にいる人から入れと言われ僕は扉を開け中に入る、中には既に椅子に座りテーブルに手を置いているアーカイブさんと隣にその秘書の女性がいた、そしてもう1人・・・


「お久しぶり〜弟君」


「姉さん、今だからいいが後でその呼び名はやめてくれよ?」


僕を拾ってくれて育ててくれて四大騎士でもある如月佐倉が学園長の右側に立っていた、僕から見たら左側に立っていた、白いTシャツに膝部分が少し破けているジーンズだけとは涼しい格好をしている、少し歩きソファーに座る、そして早速本題に


「何かいい対策でも?」


「それを含めて確認したいんだよ」


あぁ、つまり来るかもしれない事は分かっているが細かな対策はまだしてないのか、相変わらず呑気勝(のんき)だな・・・、いつ攻めてくるか分からないのに


「では今ある情報を整理します」


集まった僕達は持っている情報を整理する、今更だがこの秘書の女性は軍の人間でオペレーター、僕や姉さんが戦場にいる時情報が欲しいという時に耳につけた小型通信機器から秘書の女性が欲しい情報を言ってくれるのだ、情報整理なら恐らくこの人に任せればまず大丈夫


「昨日航空で怪しい人物達を見たと職員から報告を受けています、特徴は顔までかぶれるローブに下は作業服のような服装、ギターバックを所持していたとの事です」


「もし本当にテロ集団ならバックの中身は銃に違いないな、手荷物検査などで引っかからなかったのか?」


「確認しましたが検査機器には引っかかること無く金属探知機にも同様の報告があります」


秘書の女性とアーカイブさんの身近な会話に僕と立ったままの姉さんは顔を傾けていた、座っている僕もビックリした、触った時重いと聞いたから銃や金属が入ってると思ったが予想が外れたんだ、金属でもないし触ったという事は何かしらの形はあるという事、この時点で液体ではない

液体じゃない何かで人が持って重いと感じる何か、木なども想像出来るがそんな物テロ集団が持ってるはずない、やはり銃以外ありえない、しかし手荷物検査や金属探知機による検査に引っかからずすり抜けた、となれば一つしかない


「魔法を使ったか」


「私もそう思う」


一言呟くとそれに続いて姉さんも呟いた、魔法はとても多様性が高い、オリジナルの魔法を作る者もいる、例えば検査機器に引っかからず人が触った時に別の感覚を感じさせる魔法とかな

魔法と使ったとなるとテロ集団には少なくとも1人、魔法を使うのに特化した人、魔導師がいる・・・いや約20人分の偽造工作をするのにたった1人の魔力で足りるはずが無い、1人5人だとしても魔道士は4人、あるいはそれ以上いる可能性がある、以上の可能性が本当なら約20人程度の人数で

攻めては来ない、もっといる


「組織で動いてる可能性が高い、話を聞く限り魔道士が複数いる可能性がある、少なくとも複数いる時点で組織的に動いてるのはほぼ間違いない」


僕がそう指摘すると3人は頷いた、検査に引っかからない魔法は明らかにオリジナルの魔法だ、その魔法が使える人がいるとなるとスカウトしたか探して勧誘したかだ

しかし厄介かもしれない、そんな魔法作るヤツがそれだけ作るはずがない、もっとあるはずだ、例えば目で見たものを書き換えるとか、戦車が街を走っていてもその魔法を使えば大きな車が走ってる程度にしか思わない、と思った瞬間に僕の背中は一瞬で冷えていった


「見落としていた・・・」


「ん?何を?」


「検査に引っかからない魔法を作るやつがそれだけで満足するはずない、周りの人に見られても不思議に思われない、そんな魔法を作っていてもおかしくないだろ」


「っ!」


そう言った時3人の顔色が変わった、誰かに見られても不思議に思われない魔法・・・つまり


「潜入は簡単」


そう言って昼休みが終わるチャイムが鳴ったと同時に正門の方向から爆発音が聞こえた、それと同時に窓から何か飛んでくるのが見えた、丸くて黒い物体・・・砲弾だ

僕はソファーから立ち上がり対応しようとしたが姉さんがどこに隠し持っていたか分からない刀で飛んできた砲弾を窓越しに斬った、斬られた砲弾は爆発して窓ガラスが何枚か割れる、アーカイブさんは防御魔法を使い姉さんは刀で飛んでくるガラス1枚1枚を防ぎ僕は魔法を使わない秘書さんを防御魔法で守った

砲弾が爆発して部屋の中は割れたガラスだらけになる、こうなったらやることは一つだ


「生徒の避難を最優先、事前に立てた作戦通りにやる、行動開始!」


アーカイブさんの一言で全員が部屋を扉から走って出ていく、僕は真っ先に先程いた広場へ、さっきまでサーガと一緒にいた場所、まだいるはずだ、そう思い走り続けると校舎に逃げ込むため走っている生徒達とすれ違う

焦っている顔がほとんどであるがそんな事はどうでもいい、サーガはどこだ、そう思い走り続けるとサーガを見つけた


「先輩!」


「サーガ、大丈夫だったか」


「なんとか」


どうやら魔法に条件をつけるのは先ほどの爆発音で出来なかったらしい、しかし無事を確認出来ただけでも一安心だ、それと同時にサーガにある事を言い渡す


「サーガ、今から西門に行け」


「西門・・・?なぜです?」


「如月佐倉ともう1人の知り合いが東門と北門を守ってくれる、僕は正門である南門を守るからあと1人足りなかった、そこでお前に西門を守ってもらいたい」


「如月佐倉ってあの・・・ってえ?」


姉さんの名前に一瞬ビックリしたがすぐ冷静になり現実に気づくサーガ、ビックリしすぎなのかフラフラしている、しかしこっちとしては時間がないので手早く済ます


「頼んだぞ、躊躇(ためら)いそうになったらアドバイスした時の言葉を思い出せ」


そう言い残し僕は正門へ走り出した、話が勝手に進みポカーンとなったサーガは呟く


「いきなり言われても・・・はぁ、やるしかないか」


サーガは僕に言われた通り西門を目指した


────────────


ほとんど生徒が避難しているため走る時に避ける必要がなく気楽に走れる、そう思いながら走っていると白い髪に白いTシャツ、その上に白いジャケット、白い長ズボン履いている女性を見つけた、ここまで目立つ服装をしているのは一人しかいない、来てるか心配したが来てくれていたか・・・


「ビエールイ・・・」


「今さっきついて校舎近くまで来たら何この状況」


「昨日テロ集団が攻めてくるかもとメールで言っただろう、それが今来たんだ」


ビエールイ・・・姉さんと同じ四大騎士の1人、とある任務の途中で保護した女性だったが本人の要望で周りの協力のもと魔道騎士になった、実戦と経験を積み強くなったビエールイは世界中の魔道騎士達にその存在を焼き付けた

しばらく活動していると四大騎士設立の勧誘が来た、僕と姉さんと相談した結果これを受けた、その後は僕がビエールイに色んな戦闘技術を教えるなど師弟関係のような感じである、正規ルートで来いと言ったが変な報告がないから恐らく普通に飛行機で来たのだろう、早速作戦内容を説明する


「現在姉さんが東門、1人の協力者が西門、僕が正門である南門を担当する、ビエールイには空いている北門を担当してもらいたい」


「分かった、北門だから正門の真反対にあるのよね・・・」


そう呟くビエールイ、1度南を向くと正反対の北に向き始め何をするかと思えば腰を低くして足に力を入れ始め無言で思いっきりダッシュ、走り出した、大きな轟音と風を切る音が混ざった音がその場を数秒支配した

僕はそれを唖然として見ていた、まぁ時間が無いのは確かなので好都合だ、そう思い始めた僕は再び走り出す、走りながら今回の作戦を復習する

今回は街中にぽつんとある山のようなところの一番上を削り取り円状に土地を確保した場所に立っている国立魔道学園、その中央よりやや後ろに本校舎があり1階の東側廊下には魔力に反応して開き普段壁と同化して見えない秘密の扉があった、そこに生徒と職員達を避難、その護衛をアーカイブさんと生徒会長殿にしてもらう、そして外の守りだが先程言った通り僕が正門、東を姉さん、西をサーガ、北をビエールイが各自守る、正直なところ裏道である来たから来る可能性は高いがほかのところから来る可能性も捨てきれないためこのような配置になった、ただ戦車の砲弾が正門側から飛んできたということは主戦力は南である正面にいる事が分かる、正面突破する気だ、とても自身に溢れているのが伝わってくる、なにか仕掛ける気か

そう思った僕は警戒心をより強め正門が見える範囲まで走ってきた、そこに居たのとんでもなかった、戦車1台に6台ほどの装甲車、機銃が無いことから荷物を運ぶための物か人員を運ぶ物だと分かる、そしてそれを囲うように銃で武装した200人近くの兵士が立っていた、この数・・・やはり組織で動いていたか、となると一個中隊くらいを別方向から向かわせるくらいはしているか、各方向の門を守らせたのは正解だったな


「当たりを引いたようだ」


「そのようですね、マスター」


パッと見ても200人はいるであろう人間達、その後ろに装甲車と戦車1台、明らかに戦争をする気しか伝わらなかった僕は無色の天使の魔力で作った契約剣の名を呼びそれを右手に持つ


「無色の剣」


重みがあり白く輝きくぼみによって出来た模様とまっすぐに伸びた綺麗な刃の部分、持つ部分でさえ白いその真っ白な剣は僕の右手に現れた、それを確認した僕は敵がいる場所へ歩き出す


「任務開始」


その一言で僕は戦闘態勢に入った

投稿不定期、暇な時に書いてるからね、しかたないね

次回は警戒していたテロ集団が正人の予想通り攻めてきました、学園を守るべく作戦通りに動いた正人達、しかし初めての実戦でサーガに異変が・・・

では次回

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