危険な教室
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話しかけられた。
しかも女子に。
1人の食事にも慣れた昼休みだが不意に
「氷山くん、ちょっと話したいことがあるから放課後教室で待ってて。」と。
よく見れば昨日会った女子、うちのクラスメイトだったのか…座席表を見れば彼女の席に書かれた名前は栗川 雪だった。
昨日俺は何かしたっけ?とネガティブな思考が広がる中で、まさかとは思うが…告白?俺の人生の絶頂期なのだろうか?というポジティブな思考もあった。
「わかった。」
心のどこかで落ち込みそうになり、また心のどこかで小躍りしそうになる身体を抑えて、平静を装ってそう言った俺は、彼女の口角が少し上がるのに気がづかなかった。
辺りに誰もいなくなった教室、静かな校内によくわからない音楽だけが流されている。そんな中、彼女は黙って細長い袋から竹刀を取り出した、どうやら剣道部のよう…ビュン。
顔の横に竹刀が見える。
「ようやく見つけた、このストーカーが!」
…はっ?
「え、ちょっと待って!」
「うるさい!釈明の余地なし、避けるな!ゴミくず!」
最近の高校生は話しかけられたらストーカー認定するのだろうか。なおこの間にも俺は剣舞を回避し続けている、10秒で息切れしそうだ。
「今まで2年間…あーもう!思い出しただけでムカつく!昨日も扉の外側で見てるだけだと思ってたのにいきなり話しかけてくるし!帰り道は電車に乗るまでの20分ずっと後をつけてくるし!なにがしたいの!?」
女の子って怖い…まあでも冤罪は晴らせそうだ。
「その20分、具体的に何時から何時か言ってみてくれ。」
「は?そんなの5時半から20分でしょうが!わからない振りしたって無駄だから!」
俺は持っているスマホを手渡す。
「今母親に電話した、その時間俺が何をしてたか聞いてみるといい。」
「え!?あ、はい、もしもし、突然すいません氷山くんのクラスメイトの栗川です…はい、ありがとうございます。」
その場が誰もいないような静寂に包まれる。
現代日本では私の大好きな大和撫子は絶滅してしまったんですよ…
剣道部の和風な美少女がこの作品のヒロインです。




