たくましい仕事
ひょんな気分で観ていた求人サイト。
そこに目がとまったのは【イベントスタッフ】という職種のバイトだった。
勤務希望の欄や履歴書に必要事項を記入し、デジタル送信ボタンを押した。
携帯にすぐさま届いたのは、登録完了メールと会社からの謝礼メールだった。
ここから、新しい僕の人生が始まった…
「いらっしゃいませー。」
ここは100円均一のお店【ヤスイー】だ。昨日の夕方にアルバイト先の登録説明会に行って来て、必要なものを揃えようと思い、朝から買出しに来ている。今、女の子がここの会社の制服に付いたゴミを落としながら「いらっしゃいませー。」とか言っていたが、僕の仕事はそんなんじゃないらしい。
僕らの仕事は…設営と運営、撤去らしい。そもそも、イベント会場に行くと『そんなにスタッフさんを抱えていたのか、ここの運営者は!!』と思う日々を過ごしてきたのだが、まさかアルバイトで補っているとは思わなかった。「いらっしゃいませ。」は、創造どおりあるらしい…が、まず一番大事なのは会場の設営と撤去。これが無ければイベントも、ライブも、お祭りも出来やしない。そこからお客さんと接待というはなしになる。
説明会は女子が多いように見えたが、女子はまた違う仕事として必要らしい。それにしても広告で安易に考える人たちが多いのか、見渡す人ばかり20代に近い人ばかりだ。もしかして、僕と同じような不登校や通信、またニートの人たちが集まってきているのか。さすがに初対面の人たちばかりで、『初勤務のときは…宜しくお願いします。』と云える人がいなかった。久々の社会世界で、初日から行けなくならないだろうか。こういう時こそ、友達に傍にいて欲しいと思う。
それと帰り際に「人手が足りません!誰か勤務してくれる人、お願いします!5日後なんですが…」の時に、手を上げたことを後悔している。募集かけた人は、ニッコリ笑って「お名前は?」とか聴いていたけど、よく見た感じ腕の血管盛り上がって逞しいじゃないか。
こんな僕に、本当に勤まるんだろうか…