第八話 仏像が日本に来た頃の話
日本における仏像の歴史を少しお話しますね。
日本に中国、朝鮮半島を通じて
仏教が伝来したのは6世紀の前半(538年?)
と言われていますが、
それと同時に仏像も伝わってきたのです。
当時の日本にとっては仏教は斬新な思想宗教であり、
仏像もそうであったと考えられます。
特に当時の仏像は金箔が貼られ
きらきら輝くものとして人々の前に現れ
心をとらえたのだと想像できます。
現在私たちがお寺で見る仏像の多くは
煤けて黒いイメージがありますが、
そういう仏像の多くは最初は金箔で輝いていたのです。
現に東南アジアに行くと金色している仏像が多いのです。
というのは数年に一度は金色に塗り替えていることが多いのです。
ところが日本ではそういうことはしませんね。
仏像だけでなく
文化財一般に古いものはそのままにしていくという
日本文化があるようですね。
最初に日本人が見た仏像は
当然のことながら日本人の作ったものではありませんでした。
中国や朝鮮で作られたものを運んできたか、
朝鮮から来た技術者が日本で制作したものであったのです。
この時代の文化を当時都があった飛鳥地方の名から
飛鳥文化といいますが、
仏像も飛鳥仏という言い方をします。
飛鳥仏は顔に特徴があります。
目がびっくりしたように見開いた形で
口の両辺があがり、
いわゆるアルカイックスマイルをして
鼻は日本人離れした高さをもっています。
代表的なのものに法隆寺金堂釈迦三尊像などがあります。
これは朝鮮半島のお顔なのですね。
韓国に仏像を見に行きましたが
飛鳥仏とそっくりなのにびっくりした経験があります。
その後日本では奈良時代、平安時代、
鎌倉時代と仏像は変化し発展していき、
それぞれの時代の特色があるので
仏像をみれば大体の制作時代が分かるのですが
それはまた次の機会にしますね。