第二話 仏像のグループを知ると楽しい
今日は仏像のグループというお話です。
仏像も単体で置かれているのももちろんありますが、
お寺に行って仏像が数体あるのを見たこともあると思います。
このような多数の仏像がある場合は
それぞれ違った仏像で
それも決まったグループになっていることが多いのです。
このグループが分かるとまた仏像が分かって楽しいのですよ。
「釈迦三尊」とか「阿弥陀三尊」
などという言い方を聞いたことがありませんか?
つまり釈迦如来は単体で置かれているのもありますが、
向かって右側に「文殊菩薩」
左側に「普賢菩薩」が置かれることも多いのです。
このように真ん中にある像を「中尊(本尊)」といい、
左右に置かれる像のことを「脇侍といいますが、
本尊と両脇侍でセットとなるのを「三尊像」「三尊形式」といいます。
お釈迦様は言うまでもなく仏教を始めたお方で
悟りを開かれていますから
服装も質素です。
これに対して両側の菩薩は飾りをつけて
王冠などを付けているので
今度よく見て下さい。
そしてこの三尊形式は他にも
「薬師如来」と
「日光菩薩」「月光菩薩」という「薬師三尊」、
「阿弥陀如来」と
「観音菩薩」「勢至菩薩」という「弥陀三尊」のが有名ですね。
お寺に行って何の如来様か分からなくても
脇に観音様がいれば本尊は「阿弥陀如来」ということになるのです。
それから如来ではありませんが、
不動明王は、矜羯羅童子と
制多迦童子という可愛らしい男の子を両脇に従えた
三尊の形式で絵画や彫像に表わされることが多いです
(不動三尊像と言う)。
そしてさらにこの三尊を囲むように配される仏像があります。
これを「眷属」と言っています。
例えば、「薬師三尊」には
十二神将が囲むことがあります(新薬師寺が有名)。
そういえば仏像は数字のついたグループが非常に多いのです。
思いつくままに挙げてみると、
四天王、五大明王、八部衆、十王、十三仏、十大弟子、
二十八部衆、五百羅漢などがあります。
そうそう七福神なんていうのも有名なグループですね。
もちろん、この仏像の方々もいつもグループでいるとは限らず、
単独で祭れていることもよくあります。
特に「観音菩薩」は仏像人気ランキングトップクラスなのですが、
阿弥陀如来の脇侍としていることよりも
「浅草の観音様」、「長谷観音」というように
単独で置かれることが多く、
十一面観音、千手観音など
数多く作られるようになりました。
また、不動明王も「成田のお不動様」といわれるように
単独でそのお寺のスターになっていることは珍しくありません。
このように仏像もグループとして捉えると
もっと楽しくなってくるのです。
他にも仏像のグループはまだありますが、
それは別の機会にしますね。