第一話 仏像は4つに分けると楽しい
最近は仏像ブームということで
仏像好きの人も増えているということです。
仏像を鑑賞するには何も知らなくても
ただいいなと思ってもいいのですが
チョッとしたことを知ると楽しみは倍増します。
今日は仏像の種類について書いてみます。
仏像もたくさんの種類がありますが、
お寺に行った時にそれが分かりますか?
まあ浅草の観音様とか柴又の帝釈天などというところ行くときは
ああこれがそうかとおもうわけでしょうが、
知らないお寺ではそうもいきません。
またお寺によってもたくさんの仏像が並んでいて
どれがどれだか分からないというのが普通です。
でもこれが分かればとても楽しいと思いませんか?
神社仏閣にいくのが好きな方ならよけいそうですね。
鳥や花でも種類や名前が分かればぐっと親しみが湧きますよね。
ではその見分け方を知ることが
いわば仏像鑑賞の基本です。
まず仏像は「如来、菩薩、明王、天部」の4種類に大別できます。
だれでも知っている例をあげれば、
如来では釈迦如来、薬師如来、
菩薩では観音菩薩、
明王では不動明王、
天部では四天王、弁財天などがあり
お聞きになったことがあると思います。
それぞれに特徴がありますので
それを覚えると見分けがつきます。
まず如来というのは仏教の悟りを開いたものということで、
仏教を始めた釈迦が代表的ですね。
次に菩薩ですがこれは悟りを開くために修行中のもの
という意味です。
この姿は悟りを開く前の釈迦の姿がモデルとされています。
釈迦はインドの王族の出身ですから
頭に王冠をかぶり身に宝石などの飾りをつけています。
今度観音様を見た時に注意してみて下さい。
いろいろ飾りものでチャラチャラしていますから。
それに対して如来は悟りを開いたのですから
飾る必要がないので質素な服をまとっています。
この如来と菩薩は仏像の中でかなりの割合を示しますので
これで如来か菩薩かが分かるだけで楽しくなります。
次に「明王」です。
「明王」を区別するのは簡単です。
というのは怒った顔をしているからです。
代表的なのは不動明王ですが、真っ赤な顔をして目を吊り上げ、
牙を出し、手には剣を持ち、後は炎が燃え上がっています。
明王には他に、愛染明王、降三世明王、
軍茶利明王などがありますが、
これは密教が作り出した仏で生易しいやり方では救えない者を
威力で仏法に導く仏なのです。
よく優しく言って分からない奴は殴っても分からせるとか言いますね。これがその仏なのです。
次に「天部」ですが、一言でいえばその他大勢です。
仏教が成立する前から信仰されていた
バラモン教などの神々が仏教に取り込まれたという感じですね。
だからいろいろあります。
一番知られているのが「七福神」などに出てくる毘沙門天ですかね。これは四天王のひとつですが、
要するにガードマンのお仕事です。
お寺などにたくさん仏像があるときに
よく四隅に武器を持って怖い顔をして立っている仏がそうです。
このようにガードマンの仕事をするものや、
弁財天のように
技芸の神となる専門職的な役割をもっているものも多いです。
いずれにしても仏像は「如来、菩薩、明王、天部」
のどれかに分類されるのでそのうちのどれかだということが
分かれば楽しくなります。
もちろん如来といってもまた種類がありますが、
それは次の機会に説明しますね。
あと仏像の分類として制作された時代によって
「飛鳥仏」「白鳳仏」「天平仏」などと分類しますが
これも分かるとお寺に行って大体の時代が分かるので楽しいですがこれも別の機会にしますね。