プロローグ
今までずっと小説を書いてみたかった!
一生懸命頑張るのでよろしくおねがいします
「はぁ~~~・・・なんでこんな面倒臭いことに・・・」
真夜中の街、車一つ走っていない道路を信号無視で横断しながら、玖崎伶人はそんなことを言いながら歩いていた。歳は16、17歳ぐらい。ざんばらに切られただけのような黒髪に、高校生の平均身長程度の背、眠そうな目と、それなりに顔がいいことを除けばそこら辺の学生とあまり大差ない感じの風貌である。ちなみに真夜中といえば、ガラガラの道路を見れば分かるように、だいたいの人達は寝ていて、玖崎自身もいつもはその例に漏れていないのだが、今夜はなぜか急に腹が減ったので何か買おうと、明日学校があるにもかかわらずコンビニに出かけていた。
腹が減ったのなら家にある物を食べろ、という人もいるかもしれないが、残念ながら玖崎の家の冷蔵庫はたいてい空っぽの状況がほとんどだ。
しかしそんな寂しい一人暮らし生活をしているからこそ、実は真夜中の買い出しぐらいはよくあることでそこまで苦ではない。むしろ夜風に吹かれて気持ちいいとすら感じるぐらいだ。
「ふぅ・・・疲れた~・・・」
・・・ならば、なぜ彼はこんなにも怠惰なセリフを吐いているのだろう?
答えは簡単。
チンピラに追われていたからである。
コンビニで食料(具体的にはスパイシーチキンと肉まん)を買って出た所までは良かったのだが、ぶらさげていた袋が、たまたまコンビニの前でたむろっていた2,3人の不良の一人が食っていたラーメンに、通り過ぎる際ぶつかってしまいこぼれてしまったのである(ついでに言えばそのこぼれたラーメンが不良の服にかかった)。そして案の定それにキレた不良達が襲いかかってきたので、急いでその場から逃げて、やっと撒いた所が今の現状である。
「だいぶ走ったし、もう追って来ないと嬉しいんだけど」
と言いながら立ち止まって辺りを見回し、
「よし、もういないな。声も聞こえないし」
そう安心したように言って胸を撫で下ろした。さらに彼はもう一度周りを確認するように見て、
「結構遠くまで来たからな・・・急いで帰るか。学校もあるし、ったくこの時間帯だと絶対明日寝不足だろ」
そして憂鬱な気持ちで彼は小走りでその場を離れた。