濡衣で幼馴染に絶交された中学バスケ部エース、高校生になり幼馴染みがバスケ部復帰&復縁を願ってるようですがバイトの同僚で才色兼備な御令嬢と激甘カップルとなってるのでもう遅い!
思いつきです!
誤字脱字あるかもです。
俺、鈴凪遥斗は自分で言うのも恥ずかしいが中学のバスケ部では地方大会の優勝に貢献するほどのエースだった。
幼馴染で女バスのエースの壱原幸奈とも付き合う寸前まで仲が良かったし、高校でもバスケで互いに勝ち続けようと意気込んでた位だ。
しかしそんな夢物語はスタメンを外さた金持ち先輩の妬みによって崩壊した。
親の権力を使って(自分に暴力を振るわれ全治一ヶ月の怪我を負わされた。)という濡衣を着せられたのだ。
証拠は無かったが、金の力で周りの同級生から嘘の証言を勝ち取り、暴力犯として仕立て上げられたのだ。
当時は自分も反論したが、認めて貰えず両親も交えて謝罪。
バスケ部からも追放された。
「お前には失望した。中学卒業後は寺に入るか自分で金を稼いで高校に行け。」
「貴方がそんな子とは思わなかったわ。」
両親からも失望された。
しかし何よりも絶望したのは。
「ホント最低!もう二度と私に関わらないでっ!」
幼馴染、壱原幸奈からの一方的な絶交宣告だった。
今まで一緒に努力してきたというのに、先輩からの濡衣であえなくその努力の賜物は砕け散ったのだ。
それから楽しかった中学生活は一転し、地獄のような生活となった。
同級生からは無視され、場合によっては陰湿な嫌がらせもあった。
毎日が嫌だった。 自殺も何度か考えた。
しかし4ヶ月後、先輩が卒業前に酒を飲み、自動車事故を起こした事で今までの悪事も明るみとなり、俺の濡衣もはらされる事となった。
当時俺は家からかなり離れた都会で一人暮らしで高校に入学する為、勉強と新聞配達に励んでいた。
中学からは謝罪を受け成績を改定すると告げられた。
両親からは涙ながらに謝られ、これからはしっかり自分の事を聞くと約束された。
クラスメイトからも一人ひとり謝罪され、嫌がらせで破損した自分の持ち物も弁償すると言い出した。
しかし俺は全て一蹴した。
「ふざけるな、今更取り繕っても遅いんだよ。」
そして幸奈も自宅に訪問してきた。
「遥斗‥‥ごめんなさい‥‥!私、とても酷い事を!!」
「帰れ、もう二度と俺に関わんな。」
俺は家の中に入れず玄関を閉め出した。
それからも幸奈は何かと関わろうとしてくるが、全て無視し、警察に通報するとだけ言うとすっかり大人しくなった。
それから俺は中学を卒業、地元の高校に通わせたいという親の意志を無視し、今までの貯金と新聞配達の収入を元手に都会の高校に入学、一人暮らしを始めた。
しかしどういう訳か幸奈も同じ高校に入学し、アパートは離れてるとはいえ、一人暮らしを始めたのだ。
おそらく幸奈はまだ復縁を望んでいて、一人暮らしを始める俺を心配した両親がそれに賛同したのだろう。
しかし、俺は高校入学後は陰キャとして、あまり人と関わる事なく過ごしている。
中学の時の濡衣については高校には話してないので、幸奈に対する警察への通報という脅しも使えないのが難点だった。
幸奈は相変わらず関わろうとしてくるが高校で出来た友達に事情を話し、協力して貰って回避している。
高校入学から二ヶ月が過ぎ16歳になったので、中型二輪免許を取りバイクを購入した。
その出費を補填する為、放課後の時間帯に需要がある飲食店のバイトを探し、俺は面接で人当たりの良さを買われ、高級ホテルレストランのウェイターとしてバイトを始めた。
「今日からディナーの時間帯にはいってもらうウェイターの鈴凪遥斗君とキッチンスタッフの紫宮英梨さんだ。それぞれしっかり教えてやってくれ!」
バイトの同僚となった名門高校に通う同学年の紫宮英梨さんは上品な佇まいで一礼をした。
不意にこちらの方も振り向き会釈もしてきたので、こちらも会釈で返した。
それから1年後‥‥
ウェイターのバイトは大変だった。
しかし、面接で買われた人当たりの良さを武器に精進した結果、一年後にはホテルのウェイター部門で表彰を受ける程になった。
そしてもう一つ。
俺は英梨さんから告白された。
当初俺は過去の濡衣の件でまた裏切られるのではないかと思い悩んだ。しかし‥‥
「でしたら私の想いを証明します!」
と言ってレストラン閉店後にレストラン従業員を集めて、その前でキスされた。
その瞬間、俺は何故か泣きそうになるも告白を受け入れ交際する事になった。
そこからさらに3ヶ月、夏休みも含め英梨と沢山の思い出を作った。
バイトの度に英梨を屋敷からホテルレストランの間をバイクで二人乗りしたり、放課後デートをしたりと。
夏休みにはプチ旅行にも行ったりした。
英梨の両親には既に交際の報告をしていて、喜んで歓迎して貰えた。
特に英梨の父さんからは早くも結婚の話をされている。
幸奈は相変わらずしつこいがそれすらも英梨と一緒にいるとどうでも良く感じた。
そんなある日の放課後。
今日は英梨と駅で待ち合わせて放課後デートの予定をしていて授業終了後、すぐに教室を出て校門を出ようとした。
「なぁ、鈴凪遥斗で合ってるか?」
校門前で待ち伏せしてたであろう二年生が声を掛けてきた。
「そうですが‥‥。」
「女バスの壱原から聞いたぞ!良かったらバスケ部に入らないか!?」
どうやら幸奈が先輩に要らぬ情報を吹き込んだらしい。
しかもこの先輩は熱血漢で、押しが強い事で知られている。
「いや、すいませんが‥‥」
「遥斗!」
そして元凶の幸奈も出現。
「またバスケをやろう!そうすれば今度こそ解ってもらえるから!」
「しつこいし解りたくも無い。いい加減にしてくれ。」
「‥‥っ!で、でもそんな何時までも後ろを向かずにさ‥‥。」
「君達に何があったかは分からないがそうやっていても何も良くならないぞ。そういう意味では‥‥」
もういい。この際言ってやろう。
「はぁ‥‥今までは黙ってたけどはっきり言っておく。俺はもう前を向いてるし、今後復縁に応じる事は一切無い。」
「そ、それってどういう‥‥」
「はーるとっ!」
すると後ろから聞き慣れた声で抱きつかれる。
顔を見なくても分かる。
「英梨!駅で集合じゃなかったか?」
「待ちきれなくて来ちゃった。」
おぉう、嬉しい言葉。
「え‥‥?だ、誰?」
「俺の彼女。」
「紫宮英梨です。貴方が遥斗が言っていたストーカー女ですね。」
「す、ストーカーじゃない!第一貴方が彼女なんて信じるわけ無いでしょ!」
「じゃあ信じさせればいいんだな?」
「え?」
そこで俺は英梨を解くと今度は正面から抱きしめ、英梨の唇にキスをした。
英梨も抵抗なく俺を抱きしめ返して受け入れる。
チラッと幸奈を見やると真っ青な顔で涙を浮かべていた。
やがて唇を離すと英梨は真剣な眼差しで幸奈にとどめを刺した。
「貴方が遥斗をどう思おうと貴方の勝手です。しかし、これ以上私の遥斗を苦しめるようだったら容赦はしません。必ず仕返しをしますから!」
幸奈は顔を青ざめさせながらしばらく呆然としていたが、やがて大泣きしながら校舎に戻っていた。
「そういう訳です、先輩。バスケ部には入るつもりは無いです。」
すると先輩は首を横に振り微かににこやかになった。
「大丈夫だ。むしろ壱原が言うことが大げさだと判断出来て安心した。幸せになれよ!」
先輩はサムズアップすると体育館の方に向かっていった。
「遥斗って高校ではモテモテじゃない?」
「高校では陰キャを演じてるから大丈夫だよ。一番素の自分を出せるのは英梨だけだから。」
「ありがとっ!それじゃあデート行こっか!」
英梨は自分の腕を俺の腕に絡ませ、身を寄せてきた。
「どこに行く?」
「映画見に行ってその後は‥‥二人きりになれる所。」
「えっ!?」
その夜俺は英梨に屋敷の一室で捕食される事になるのだが‥‥‥それはまた別の話。
それからしばらくして不登校になった幸奈は高校を退学し地元に帰っていった。
後に通信制高校に通い、一人寂しくやってると両親から聞いた。
両親と幸奈の両親がさすがにやり過ぎだと殴り込み&連れ戻しに来たのだが、来ることを英梨に事前に連絡したら英梨の父親が一人暮らししているアパートに来てくれ、
「自分の子を信じずに平謝りだけして、まだ縛り付ける気かっ!!」
と怒鳴り、あっさりと鎮圧した。
そしてその場で俺を婿に貰う確約までとりつけた。
そしてその数年後‥‥
桜が舞う教会を背に俺、紫宮遥斗と紫宮英梨は誓いのキスを交わしたのだった。
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