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魔族出現 その後④

師匠

グローとオーリが屋敷に慣れ始めた頃、再び屋敷に来客が来る。


杖をついた白髪の老婆と短髪の少女が応接室で待っていた。


「はじめまして、賢者リゼルさん。クザンから聞いておるな?クザンの師匠のブリード、この子は今教えている曾孫のぺーレ。手紙を見て面白そうだから修行をつけに来たわい。しばらく厄介になるからな、よろしく。ほれ、ペーレ挨拶をしなさい」


「どーも、私はペーレ。あんたが噂の賢者さまね〜。どうせ噂だけでしょ、私の方が絶対強いんだからね」


私よりも幼い体型のペーレが胸を張って自慢げに言う•••“ガツーン”とゲンコツがペーレに飛ぶ。


「すまぬの〜曾孫なのだが甘やかされすぎて少々天狗になっていてな。悪気はないのだ、比較対象がないから自分が一番だと思っておるんじゃ」


「痛いわよ〜ひいお婆ちゃん。実際本当のことじゃない!貴族学校に入ったらペーレが一番の魔法使いになる予定だもん」


「ひいお婆ちゃんと言うでない、ブリちゃんと呼びなさいといつも言っておるじゃろ!すまんのぉ〜こんな曾孫じゃが可愛くての。だが、あまり天狗でおっても困る。賢者リゼルの腕前を見せれば鼻も折れると思うて一緒に連れてきのじゃ」


「ペーレさんは学校に入ると言うことは、どちらかの貴族の子女なのですか?そうなれば我が家でお預かりというわけにはいかないのですが」


「この子は貴族ではないから問題はない、私が法衣貴族扱いなだけじゃ。曾孫ながら実力はあるからの、弟子に頼んで来年から貴族学校に入れるように手配してもらったんじゃよ。田舎の奥地にいたから世間知らずなんじゃ、王都にいれば一般常識が学べると思うての」


「屋敷の部屋数は余裕ありますから大丈夫ですが、我が家には法衣貴族がいますが問題ないですか?」


「儂とペーレは問題ないな、法衣貴族と言っても仕事があるわけでもないしのぉ、名ばかりの年金みたいなもんじゃよ。グザンも特に何も言わんじゃろ」


「私としては教えてもらえるなら歓迎します。我が家は他の貴族とは違いますので面倒なことは特にありません。屋敷内の住人に驚くかもしれませんが。お部屋を用意します、それぞれ個室の方が良いですか?」


「ひいお婆ちゃん!ペーレは個室が良い!念願の個室!」


またも”ガツーン”とゲンコツがペーレの頭に飛ぶ。

頭を押さえて痛がるペーレを横に。


「この通り、まだ幼い曾孫じゃ。屋敷で一人部屋など何をしでかすかわからん•••一緒の部屋で良いのじゃ」


「わかりました。イワン、部屋を用意して欲しい。あとはメイドを一人ブリードさんとペーレさんの担当につけてあげて。今日はカールにハンバーグを作ってと伝えてね」


“承知いたしました”とウインクをしながら部屋を出て行く。私の目的を察してくれる良い執事長である。部屋とメイドを用意させ長旅の疲れを取ってもらうために屋敷自慢の温泉へ案内させる。


夕食時、皆と顔合わせをする。


「ひいお婆ちゃん、あの色白の耳の長い方はエルフ族の方よね?あそこの髭もじゃのおじさん2人はドワーフ族??白いモンスターが2体いる!?何この屋敷!?」


「なかなかに面白いのじゃ。この歳になって好奇心と驚きがあるとは•••グザンのやつ、会った時にゲンコツじゃ!」


うちのメンバーは個性派が多いので驚きの方が大きかったようだ。温泉にも驚いていたみたいだけど•••最後にハンバーグで驚かせよう•••



「なにこれ!凄く美味しいんだけど〜!!!」


私の目論見は成功である。


久しぶりのハンバ〜グー。

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