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8歳 ロード辺境伯④


精霊達の修行?


夏休みを前に精霊達の成長に取り組むことにした。原因は私の戦闘スタイルにあったようだ。


「エルフ族は人族よりも魔力は多いのだが、坊主の魔力はそこのエルフの娘よりも段違いで多い。だが坊主の精霊達は小さいのだ。原因は坊主にあると我は思うぞ」


「私に原因•••フェン爺、原因が思いつかないんだけど、何か理由があるのかな?」


「うむ、考えられるのはいくつかあるが坊主は小さき精霊たちを戦わせておるか?小僧どもの霊力が低い」


「霊力は魔力みたいなもの??」


「そう解釈して良いな。霊力は使わねば増えぬ。エルフの娘の精霊は共に戦いながら成長しておるはずだ」


「精霊たちには戦闘のときに手伝ってもらってるけど…それじゃダメということかな?もしかして精霊達が戦わなければならないのかな?」


「まあ、そういうことだな。坊主が主体となって戦っているならば可能性は高いな。精霊も最初は人の赤子と同じだ。経験を積んで行くことで大きな精霊へと進化していく」


「なるほど•••そういうことか。それなら実際に試してみた方が早いね」

翌日から学校が終わると低級者ダンジョンへと向かうことにする


「”サラマンダー” 一角兎を火の槍で攻撃して」

「”ノーム” 土の槍でスライムを攻撃!」

「”ウンディーネ” ワイルド・ボアの顔先を水で覆って!」

「”シルフ” ウルフに風の刃を!」


5 階まで精霊達にモンスターを倒させながら進む。5階のボス部屋に到着した、たしかここはゴブリンが出てきた記憶があるな。

今日は並んでいる人が少ないから実験がてら何度か挑ませてもらおう。


数時間、精霊たちをモンスターとの戦闘させる。

心なしか精霊たちが大きくなっている気がする。数日繰り返してみれば成長しているか判明するだろう。


1週間後


「坊主よ、精霊の小僧どもは多少なり成長しておるわ。色々な経験をさせてやると良い」

フェンのお墨付きもついたことだし、このやり方で合っているようだ。実際のところ、精霊たちの力は強くなってはいる。コツコツやって行こう。


それから何事もなく日々が進み、夏休み期間に突入する。今年の予定は辺境伯様のところへ伺う予定だ。

地図にマーキングされているダンジョンが気になる。

きっと初代様からの何かしらのフラグだろう。 

辺境伯領までは王都からは距離があるため、旅慣れたメンバーで行くことにした。


ディーはもちろん一緒に行くと言い出して同行する。

リード、ロンザ、オリビア、クリス、イワン、アリシア、カールの9人で馬車の二両編成で出発する。


道中は特に何事も起こることもなく、グリフに乗って騎乗の練習をしたりしながら、10日ほどの旅路で辺境伯領へと到着する。


辺境伯領は他国と唯一接している領内ということで、門の警備も他と比べると厳しい。審査待ちで人がごった返している。ここは珍しく貴族専用の門がないため、我々ものんびりと待ち受ける。


「大変お待たせいたしました。貴族のご子息の方とお見受けなされますが証明する類はございますでしょうか?」

この門の責任者であろう年配の兵士がイワンに尋ねてくる。


「こちらが証の短剣です。ご確認のほどを」

「では、お借り致します」兵士が奥に確認に向かい、数分後に戻ってくる。


「大変失礼を致しました。リゼル卿でございましたかロード辺境伯領地へようこそおいでくださいました。主人から言伝がございます。こちらの書状をお持ちください。宿の方はご用意しておりますので案内を付けさせて頂きます」


門をくぐり、辺境伯領都へと馬車は入っていく。

平和な王都と比べると最前線の防衛地点でもある領内は違う意味で活気的だ。

案内された宿へと到着をし旅の疲れを癒す。


翌日、トーマスさんからの使いが訪れた。


旅路は遠いため急いで向かってます。本来は2週間くらいかかる距離です。四大精霊たちはぬいぐるみサイズ(30cmくらい)から少し大きくなりました。ディーの精霊たちは80cmくらいの大きさです。旅路ではグリフとフィンは空間の中で大人しくしています。

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