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8歳 ロード辺境伯②

フェン様


白い空間…


「ここは空間魔法の中?なんで突然ここへ??」


「坊主、我の声が聞こえるか?」


「一体どこから!?」


「こちらを見ろ。坊主が見えるようにしてやる」

そこには白い大きな狼が立っていた


「綺麗…」思わず声に出てしまった。


「アラビスと同じことを言う。坊主が今の世の賢者か?」


「はい、二代目賢者のリゼルです。あなたは一体??」

敵意がないことは会話からもわかる。何よりどうやっても敵わない。


「我は氷の精霊だ。アラビスとの盟約により坊主に力を貸してやろう。両手を我に差し出すが良い」


素直に両手を前に差し出す。

氷の精霊が私の両手に手をのせる。体中から大量のマナが一気に奪い取られる。思わず苦痛の声を上げる。


「む!?この辺が限界か•••だいぶ、我の体も小さくなったものだな。これで我と坊主との契約は完了した」

氷の精霊の体が大型犬のサイズくらいまで縮まる。


「これで契約が完了ですか•••どのような契約なのですか?」

肩で息をしながら質問をする。


「うむ。坊主は小さき精霊どもと契約しておるだろう?それと同じだ、我が坊主の力になってやろう。坊主が成長をすれば我の体も元の大きさに戻る、今の坊主の力量であればこのサイズが限界だな」


「なるほど•••ちなみに名前はなんて言うんですか?」


「我に名はない。アラビスはフェンリルのフェンと我のことを言っておった。坊主の好きに呼ぶが良い。我は坊主の力になってやろう」


「フェンリルのフェン•••初代様が名付けた名前で呼びます。これからよろしくお願いします」ペコリと頭を下げる。


「坊主がこれから我の主人になる。早く我を元の大きさに戻すように。このサイズだと大したことができぬからな」

フェンは自分の体を見て面白おかしそうに尻尾を振りながら笑う。


「ねぇフェン。初代様はなんでアミュレットにフェンを入れておいたの?」


「我は入っていたわけではないぞ。仕組みはよくわからぬがアラビスが次の賢者が現れたら我が具体化できるようにしておっただけだ。本来、精霊が具体化するには相当な魔力を使う。アラビス程の魔力があれば問題はないが、坊主の魔力ではまだまだ足りん。アミュレットは常に身につけておけ、それは我を具体化しておけるアラビスの術が施されておる。奴が死ぬ間際の最後の術だ。次の賢者を助けろという盟約を我は守る」


「初代様は何を対価にフェンと盟約を結んだの!?」

私は疑問に思えた盟約について聞いてみた。


「奴には返しきれぬほどの借りがあるからな。奴が生きている間に返しきれなかっただけだ。奴は笑いながら我に次の賢者を助けるようにと伝えただけだ」


「私は初代様に色々と守られているな•••」


「奴が何を考えているかは我にはわからぬ。魔族を封印してからは遠い先のことを常に考えるようになったな」


「魔族の封印について教えて欲しい!」


「大勢の人族と奴の眷属ども、我のような精霊らで封印したぞ。最後はラビウスの術で封印した。我には人族の術はわからぬが最後は大勢死んでおったな。坊主もその運命にあるようだな」


「うん、私も魔族を封印しなきゃならない」


「そのために奴は我との盟約を残したんだと思うぞ。魔族は我から見ても脅威だ、坊主は強くなる必要があるな」


「私はまだまだ弱いからね。これから強くなるから力を貸してねフェン」


「うむ。我の力を使うが良い」


「空間から出よう。フェンはどうするの?ここに残る?」


「外の世界へ出よう。この空間は暇だからな」


私たちは空間から戻ることにした。


“私の物語に氷の精霊フェンリルのフェンが加わる”


氷狼でフェンリルは中二病的なので初代様にその役を•••我口調で差別化!(笑)

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