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11 勝負
探査機の信号の場所。
野営をしている女の子四人の中に、目指す槍使いを見つける。
和気あいあいと食事の支度をしている四人を見ていたら、感情が抑えられくなって飛び出してしまう。
「私のことを忘れたとは言わせないぞ」
啖呵を切った私を見ても、動きを止めたのはほんの一瞬、
一番小さい娘以外は、三人とも即座に臨戦態勢をとった。
全員が困惑顔だが、ちょっと待て、
そこの槍使い、お前のその顔は何だ。
他はともかく、お前だけは私の怒り顔に反応すべきだろうっ。
渾身の殺気を槍使いに向けて放つ。
ようやく自分が標的だと理解したか、槍使い。
「手出し無用」 などと気取っていられるのも今のうちだ。
ビリビリくる。
あの時も感じた異様な殺気。
だがな、槍使い。
今の私はあの頃とは違うぞ。
私のわがままに付いて来てくれた彼のためにも、
この勝負、無様を晒す訳には、
いかんのだ!