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第三十話 なんでそうなるのっ!

 ついに迎えた日曜日。


 俺は前日から一睡もできなかった。


 もちろん寝ようとは思ったよ?


 でも寝られるわけないじゃないか。


 女の子の家になにを着てけばいいのかでずっと悩んでいたからね!


 これだっ! と思って選んでさぁ寝ようと思っても、目を閉じた瞬間にやっぱダサいかなぁなんて思ってしまう。スマホで


『メンズ 秋 高校生 コーデ』


 と調べて参考にしようとするも、そもそもそんなに服持ってねぇしモデルカッコよすぎだしスタイルよすぎだし髪の毛染めすぎだしツンツンさせすぎだしで、まったく参考にならなかった。


 ああぁ! お前らモデルはそんなにスーパーサイヤ人になりたいのかよぉ! だったらおらの元気を分けてやるから、おらに洋服とファッションセンスを分けてくれぇ!


 いつもはしない朝風呂に入り、いつもより念入りに髪も体も洗い清めまくる。結局、黒のパンツに白のTシャツ、赤と黒のチェック柄の上着を羽織って出かけることにした。


 あ、もちろん靴は消臭スプレーまるまる一本分使って消臭してますよ!


 脇も同じく!


「姉ちゃん。行ってきます!」


 玄関で靴ひもをキュッと結んでから、リビングに向けて声を飛ばすと、


「ああ、待って、辰馬」


 毎度おなじみ、淡い水色キャミソールに黒レースパンツ姿の姉ちゃんが慌てた様子でやってきた。


「なに姉ちゃん? 俺、急いでんだけど」

「いいから、ちょっとこっちに来なさい」


 手招きされ、渋々姉ちゃんに近寄ると、いきなりむぎゅっと抱きしめられた。二つの柔らかなおっぱいから甘い香りが漂ってくる。


「ちち、ちょっと! 姉ちゃん!」

「え? お姉ちゃんの乳がもっとほしい?」

「そんなこと言ってない!」

「大丈夫。なにも言うな。わかってる。これから辰馬は真の男になりに行くんだろ?」

「し、真の男?」


 なに言ってるのこの人?


 頭おかし……くないか、いたって普通か。


「いいから自信を持て。とにかく自信が大事だ。このときのために、姉ちゃんは辰馬に下着姿や裸をさらし続けてきたんだ。辰馬が彼女の裸を見ても落ち着いていられるように」

「ただの勉強会だよ! しかも二人きりじゃなくて三人だし!」

「え? さ、三人? まさか辰馬…………いや、それもかえって自信につながるか。一人増えるくらい誤差だからいっそのことお姉ちゃんも混ざれば、あるいは」


 あらやだこの人なにを考えてますの?


 きっと倫理観や羞恥心は学校に置き勉してるんですねぇ!


「姉ちゃんが思ってるようなことはなにもないから!」


 俺は姉ちゃんの拘束からずばっと抜け出し、


「とにかく、行ってきます」


 真っ赤になっている顔を見られないように、急いで外へ飛び出した。顔が熱いのは日差しが強いせいだからそこんとこよろしくぅ!


「ああ、緊張してきたぁ――おっ?」


 唐突に、スマホにメッセージが届く。


 愛奈萌からだった。


『ごめん。今日熱が出て頭痛も腹痛も痛くて喉が壊れそうなほど咳も止まらないから行けないや。知佳にはもう伝えてあるから。あー、せっかく昨日知佳と二人で買いに行ったおニューの私服着ようと思ったのになー。そゆことだから、後は知佳の家で、二人きりでゆっくりねっとり絡みつくように楽しんで』


「なんでそうなるんだよー!」


 俺は青空に向かって叫ばずにはいられなかった。

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