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プロローグ
「死にたい」といった奴が生きて、「生きたい」といった奴が死ぬ。
ふざけんじゃねえと思った。世の中理不尽なことだらけだ。そんなものが大っ嫌いだから。僕だけにそんな不幸が降り掛かっていると思えてしまうから。過去も今も未来も苦しくて、本当に死にたい。
なんで僕だけが....
なんで私が...
選ばれたんだろう。今こんなにも大切な人達と、幸せな時間を過ごしているのに。ずっと続いて欲しいのに。そのいつかは目の前で。お別れがもう決まってるなんて。こんなのあんまりだよ。もっと生きていたいのに。
今日も僕は訪れることのない死を願う。
今日も私ははいつか訪れる死を嫌う。
「明日で終わってしまえば、
「明日が終わらなければ、
ーどれほど良かっただろう」」
僕が君の代わりになれたなら...
僕が君の代わりに死ねたのなら...
そんなお話。