表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/232

精霊ウィスプに魔法を教わる!☆3  やっぱりSだった!!

 今朝もラダック村には雪が降っていた。


 雪が降り積もりって隣の家へ行くのも苦労するようになってきた。


 朝起きるとリビングでは………もうイフリートが筋トレをしていて部屋は暖かかった。

 エリスとアリーチェは、気にしない事にした。



 朝食後はウィスプと社会科の勉強だ。


 ここベルトランド大陸は、中央に君臨する9,000㍍超えのデル・ディーオ山脈を囲むように4つの国がある。


 東にヴェスパジアーナ共和国、

 南にクリストフィオーレ皇国、

 西にガンドルフ帝国、

 北にアッシャムス魔国だ。


 アリーチェの住むラダック村は山脈の南側、クリストフィオーレ皇国領内にあった。

 教会を守る事を第一と考える国だ。

 森と平野が広がり農業が盛んで、南側には海ががあり海の幸も豊かな国であった。


 山脈の東側、ヴェスパジアーナ共和国は、商業・貿易が盛んな国である。

 ヴェスパジアーナの国土は狭いが、東側の海を超えた先にある幾つかの国との貿易により、その拠点として栄えていた。


 山脈の西側、ガンドルフ帝国は、荒れた土地だが鉱山が多く、鍛冶の盛んな国である。

 強さこそ正義と考える獣人国家である。


 山脈の北側、極寒の地にあるのは、アッシャムス魔国。

 魔族の国である。


 アッシャムス魔国とガンドルフ帝国は隣接しており、昔から小競り合いが絶えなかった。

 だがここ100年近くは平和な状態が続いていた。



 午前中の勉強が終わった。


「ふぅ~~!座っての勉強久しぶり過ぎて疲れた~~」


「ではアリーチェ様、昼食後は魔法の練習を行いましょう」


「は~い!」



  *  *  *  *  *



 そして午後。


 座禅を組んでの精神集中。


 魔力操作の練習をしてから、新しい魔法の練習だ。


「本日は防御魔法です」


 アリーチェは少しだけウィスプが怖く感じていた。


「………はい」


「防御魔法『シールド』のイメージは、光の盾です。直接攻撃は勿論ですが魔法攻撃も防ぐイメージが大切です。魔力を通さないイメージです。では私とアリーチェ様の間にやってみて下さい」


(いきなり2人のあいだに?)


 疑問に思いながらも怖いのでアリーチェは頷いた。


「はい……」


(光の盾か………盾だと小さいから少し大きめの壁くらいがいいかな。アリーチェの今の身長からすると1㍍×1㍍くらいかな。普通の攻撃を防ぐには堅ければいいと思うし、壁の向こうは見えた方がいいからやっぱ防弾ガラスよね。魔法も通さないって………盾は魔力で作るんだからきっと通さないわよね。じゃあイメージは光の防弾ガラスでいこう!)


 集中するアリーチェ。


 そして、


「『シールド』」


 見たところ2人の間には何も見えないが、ウィスプが杖を差し出すと、トンと何かにぶつかった。


「一応シールドはありますね」


 杖でアリスの目の前のシールドを叩く…


 トントン。


 ドンドン!


 しだいに強く叩くウィスプ。


 ドンッ! ガンッ!


 ウィスプが杖を振りかぶった。


 ドガンッ! ドガンッ!


 ウィスプの行動が怖くなるアリーチェ。


(盾が無かったらアリーチェにあたってるんじゃないかしら………)


 何故か不満そうな表情のウィスプ。


「まぁ………なかなかの様ですね。では攻撃魔法を試しましょう」


 ウィスプが、三歩下がって手を前にかざす。

 光の矢が5本現れてアリーチェに向かっていった。


 慌てるアリーチェ。


「うあぁっ!!」


 ガキンッ!ガキキキンッ!


 矢は全て無事に盾で弾かれた………


「チッ、………初めてで出来るとは………やはりアリーチェ様には才能がお有りの様ですね」


 怖くて泣きそうなアリーチェ。


「いっ今のって?」


 平然とした表情のウィスプ


「盾を試す為の魔法です。聖属性にも攻撃魔法はありますので」


「いやいや攻撃魔法って、もしも盾が弱かったらと思うと………」


「えっ?何がでしょうか?」


 怖くて聞きづらいアリーチェ。


「いゃあの、攻撃魔法が当たったら怪我したかな~なんて思ってね」


 平然としたウィスプ。


「怪我しても私が治しますから大丈夫ですよ。あっ!御自分で治されるのも、練習になりましたね、残念!シールドが成功してしまいましたね」


 ウィスプをじっと睨むアリーチェ。


(ウィスプってきちんとしてそうで、かなり危ないタイプだわ。性格は完全にSだわ。攻撃魔法の時も口元がニヤついてたし、矢は1本でいいのに5本とか………それに、『シールド』が成功した時に舌打ちしてたし………早く違う先生に交代してくれないかしら)


「では本日の魔法教室は終了します、お疲れ様でした」


 終わってホッとするアリーチェ。


「………ふぅ~~良かった」



 少しずつ魔法を使えるようになってまいりました!


【作者からのお願い】


 本作を読んで少しでも応援したいと思っていただけたなら、

 画面下の「★★★★★」

での評価をいただけるととても励みになります。m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ