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みんなはとっても頑張っていた!


 土曜日の昼の屋台広場。


 アリーチェは串焼きの買い出しに来ていた。


 ルカパパがラダック村に帰ったから独り暮らしなのだ。


 精霊が結構いるが独り暮らしなのだ。


 料理をしなくていいように串焼きを買いだめしに来たのだ。

 リュックに入れるフリをして、収納にどんどんしまっていくアリーチェ。

 熱々で収納すれば、熱々で出てくる、独り暮らしにこれ程便利なものはない。

 片っ端から出来上がっている串焼きを買い占めていく。

 アリーチェは結構稼いでいてお金に困ってないので、出来てるのと今焼いてるの全部下さい的な大人買いだ。

 後ろに人が並んでいようが、護衛にマッチョのイフリートがいるから関係ない。

 並んでる人は食べたければ焼けるのを待てばいいのだ。


 屋台広場での買い占めに飽きたアリーチェは、森の泉孤児院の様子を見に行った。


 串焼きを買うためではない……ついでに串焼きを買うかもしれないが…………。


 森の泉孤児院に着くと、屋台広場以上の行列が出来て賑わっていた。

 大忙しのセラフィナを手伝う為に、路地裏に隠れて精霊を呼び出した。


 今ラダック村にはウィスプとランパス、それにシドも送り出してしまった。


(ディーネとフラウは子供の遊び相手で呼ぶとして、屋台の手伝いを出来そうなのは……ノームはテキパキいかなそうで無理、ヴォルトはおじいちゃんで無理……女子なんだからルナでいってみるか)


 ディーネとフラウと、女子力未知数のルナを連れて、セラフィナを手伝いに向かった。


「セラフィナさん、お久しぶりです」


 忙しそうに串焼きを焼いているセラフィナ。


「あらっアリーチェちゃん、しばらくぶりね」


「お友達と来たんだけど手伝ってもいい?」


「あら本当?助かるわ、いつも夕方にはマウロたちが来てくれるから、それまでお願い出来るかしら?」


「もちろん!じゃあディーネとフラウは子供たちの遊び相手をお願い、ルナはアリーチェと一緒にお店をお願いね」


「「オッケ~~!」」

 広場で遊んでいる子供たちの所へ、元気に走って行くディーネとフラウ。


「畏まりましたアリーチェ様。なにぶん初めての事ですので、ご指示を頂ければ、必ずやアリーチェ様の手足の様に動いてお役に立ってお見せします!」


 長い黒髪を月の紋章のかんざしでまとめ白の半袖シャツにライトブルーの巻きスカートのとても可愛らしいルナが拳を握り締め目は燃えていた。




 4の鐘が鳴る頃(午後3時頃)

マウロたちが狩りから獲物を持って帰って来た。


「「「「おお~っ!アリーチェ師匠~!」」」」


「みんな元気そうね、やっぱりここの串焼きが1番美味しいわ」


 サンドロが嬉しそうにアリーチェのところに来た。


「ありがとうございます!アリーチェ師匠に褒めて頂くとは努力の甲斐があります!セラフィナさんと僕とで毎日丹精込めて肉を仕込んで頑張っております!」


 セラフィナは屋台で串を焼きながら答えた。


「最近はほとんどサンドロがやってくれてるのよ、ありがとうねサンドロ」


「頑張ってるのねサンドロ」


 アリーチェに褒められて更に興奮気味のサンドロ。


「これも修行ですから軽いもんですよ、ふんっふんっ!」



 屋台後ろの焼き台で焼いていたルナが、焼き上がった串焼きを持ってきた。


「お待たせしました、10本焼けました」


 焼き上がった串焼きを受け取るセラフィナ。


「ありがとうルナちゃん、何回焼いても全部こんがりと丁度良く焼き上がってて、私より上手だわ!」


 神癒属性は医療に特化していて人の命がかかっているので、ルナは全てに正確さを求め妥協してこなかった。

 ルナにとって妥協せず正確に行う事は当たり前で、更に今はアリーチェの為に全力で串焼きを焼いているのだ。

 肉の焼け具合を見る為に、顔を火の間近まで近づけるから、手も顔も髪もすすだらけになっていた。

 その甲斐あって串焼きはとても上手に焼けていた。


 サンドロは、初めて見るすすだらけの女の子がセラフィナに焼きを褒められてるのを見て怪訝な表情をする。


「その煤だらけのは誰ですか?」


「ああ、この娘はルナさんと言ってアリーチェさんと一緒にお手伝いに来てくれたのよ」


「アリーチェ師匠の知り合いの方でしたか」


「焼くのがとっても上手なのよ。ルナさんが焼いた串焼きを食べてみて」


 サンドロは差し出された串焼きを食べて驚いた。


「うっ!うまい!焼きだけでこれ程違うのか……」


 ルナは店の後ろの焼き台に戻って焼き始めていた。


 サンドロは近づいてその様子を見る。

 串焼きの肉はサンドロが仕込んだ物だ、それをきれいに台に並べて焼いている。

 顔を間近まで近づけて肉の焼け具合を見て、頻繁に串を回し、串同士も入れ替えていた。


(そうかっ!火加減は台の場所によって違うから入れ替えているのか!その肉を焼く為の最適な火加減の場所に…………僕の焼きは甘かったな)


 焼く事に集中する姿はサンドロにとってはとても美しかった。


(女の子なのに煤だらけになる事など気にせずに、それがまた美しい………あっ結構可愛い………はっ!そうかっ!アリーチェ師匠はその事を僕に教える為に!!)


 サンドロはルナの焼きを手伝おうとした。


「ルナ先輩!僕に手伝わせて下さい!」


「串に触るなデブ!!」



「デブっ!?…………ルナ先輩」


「私がいつお前の先輩になった」


「いや、アリーチェ師匠の1番弟子の方かと思いまして……」


「アリーチェ様の1番………フッフッフッ、分かっておるではないかデブ、そう!私はアリーチェ様の1番だ!アリーチェ様を師匠と敬うのも中々見所があるな」


「はっはいっ!ルナ先輩!」


「先輩か……本来ならルナ様と呼ばせるところだが、まあいいだろう。良しデブ!焼いてみろ」


「はいっ!ルナ先輩!」


 焼いているサンドロの手を串で突っつくルナ。


 チクッ!


「違うっ!その串を動かすのはまだ早い」

「はいルナ先輩!」


 チクッ!


「違うっ!その串はこっちに置け」

「はい!ルナ先輩!」


 チクッ!


「この串は焼けているぞ!」

「はい!ルナ先輩!」


 チクッ!


「何度言ったらわかるっ、デブの丸焼きにするぞ!」

「はい!ルナ先輩!」


 ルナとサンドロはいつの間にか先輩後輩の関係になっていた。


 ルナとサンドロの事は気にしないようにしながらも、森の泉の屋台もマウロPTも順調なのでアリーチェは安心した。


 ついでに森の泉の串焼きも、ゲットしていた…………。


 屋台の営業が終わり、マウロたちとアパートに戻りながら話していたら、みんなLV7に上がっていた事が分かった。


 みんなとっても頑張っていた!




 ☆◦º◦.★◦°◦.☆◦º◦.★◦°◦.☆


 読んで頂き有難う御座います。


【作者からのお願い】


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             m(_ _)m


 ☆◦º◦.★◦°◦.☆◦º◦.★◦°◦.☆




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