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ラダック村特産品店、開店!

 ローラさんの家から戻った夜、ルカパパに孤児院の事を聞いた。


 孤児院は、親を失った子供や捨てられた子供などを引き取って、10才まで育てている。

 運営費用は寄付、スタッフはボランティアで維持されている。

 普通の子供が8才から行く学校も、高くはないがお金がかかるので通えない。


 マウロが言っていたLv1からのレベル上げの難しさについても聞いてみた。

 学校は基本的に、8才になる年に入り、魔法の才能のない子供は普通科に2年通って10才で卒業、魔法の才能のある子供は魔法科に4年通って12才で卒業となる。

 普通科も魔法科も学校に行けば冒険者の授業があり、冒険者の基本的な事を学び、教員が付き添って魔物を倒す。

 普通科でも10才の卒業までにLV5くらいまで上がり、魔法科なら卒業までにLV10前後まで上がるのが普通なのだ。

 冒険者は10才から正式に登録出来るが、10才でLV1の冒険者は学校に通えなかった孤児しか居らず、冒険者の事を何も知らないLV1の冒険者とは誰もPTを組まないのだ。


 自分の所為じゃないのに苦労しなければならない孤児の事情を知り悩むアリーチェだった。




  *  *  *  *  *




 次の朝、アリーチェはラダック村特産品店の開店の手伝いに来ていた。


 忙しそうに開店の準備をするニッチェとツェドゥン。

 店の中は所狭しと服が並べられていった。


 店の外にはすでに開店を待つお客さんが並んでいた。


「開店前からすごい人気なんだね」


「そうなのよ、開店準備の時から、いつから開店するのか聞かれてばかりだったわ、並んでるほとんどの人が貴族の使用人なのよね………買い占められそうで怖いわね」


 アリーチェとニッチェが話しをしていると、店の外にピエロに抱っこされたローラさんが手を振っていた。


「ニッチェさん、外で抱っこされて手を振ってるのがローラさんよ」


「あらまっ!」


 ニッチェはピエロとローラを店内に招き入れた。


 抱っこから降りて頑張って自力で立つローラ。


「初めまして、ローラと申します。開店おめでとうございます」


「あら、貴女がローラさんなのね、話しは聞いてるわ。良い場所をありがとうね、働きたいと言う話しを聞いたわ、いつでも大歓迎よ」


「ありがとうございます!開店にこんなにお客さんが並ぶなんて流石ですね。去年の屋台の時にかなり話題になってましたものね」


「お客さんが来てくれるのは嬉しいんだけど、商品の数がそんなにある訳ではないから、値段を少し高めに設定してあるけど、貴族の使用人っぽい人達に買い占められそうで心配なのよね…」


 少し考えてローラさんが言った。

「あ~ありそうですね…、それでしたら数が少ない事と多くの方に着て頂きたい事を伝えて、お一人様何着までと、個数制限をしてはどうでしょう?1日の販売数も決めて売り切れたらその日は閉店するとか。あと1度に店に入るお客様の人数も決めると混雑しなくて良いかもしれませんね。それとこの人気でしたら、警備員が必要です。冒険者ギルドに発注すれば良いと思います」


「あらあらそれ良いかも、全部やってみるわ、アドバイスありがとうね」


「いえ、いろいろ試しながらやり方を探っていくのが、いいと思います」



 ニッチェは早速ルールを紙に書いてドアに張り出し、並んでる人達に説明した。

 1人1着まで、店内に入るのは3人までで1人出るまで入店を控えてもらう事を伝えた。

 当然貴族の使用人っぽい人たちが文句が出て険悪な雰囲気になる。


「嫌なら買って頂かなくて結構です!お帰り下さい!」


 ハッキリ断るニッチェは頼もしかった。


 ニッチェは、開店準備をみんなに任せて、警備員を雇う為に冒険者ギルドに走っていった。

 

 ニッチェが冒険者ギルドに行っている間に、ローラさんのアドバイスで、ショーウィンドウに見映えのする服を飾り、ローラがアリーチェにプレゼントされたお人形を店内カウンターの奥に飾っていた。


「ローラさんこのお人形さんたち?!」


「いいの、お店に飾らせて欲しいの。話題にもなるだろうし、その方が私も嬉しいの」


「ありがとうローラさん」



 冒険者ギルドから戻ってきたニッチェさんと一緒にいたのは、なんとラダック村からの護衛をしてくれたPTのリーダー・ジョヴァンニさんだった。


「冒険者ギルドに入ったら、ジョヴァンニさんがいたから、警備員の事を話すと、一緒に受付に行ってくれて、手続きしてそのまま来てくれたわ」


「「「ありがと~う」」」


 お店で準備しているみんながお礼を言った。


「いやいや、ラダック村の助けになるなら喜んでやらせてもらいますよ………勿論格安でね」


 ニッチェが頭を下げるがジョバンニは笑顔だった。



「ではみなさん開店しますよ?」


 ニッチェさんが店内のみんなに声を掛ける。


「「「「はい」」」」


 良い返事が帰ってきた。


 ドアを開けてニッチェが、並んでるお客全員に聞こえる大きな声で言う。


「お待たせ致しました。ラダック村特産品店、開店で~す!」


「「「いらっしゃいませ!」」」


 無事に店は開店した。



 ☆◦º◦.★◦°◦.☆◦º◦.★◦°◦.☆


 読んで頂き有難う御座います。


【作者からのお願い】


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         m(_ _)m


 ☆◦º◦.★◦°◦.☆◦º◦.★◦°◦.☆




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