表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/232

護衛のPTに守られて!☆2


 夜空に星がきらめく草原で、食後にみんなで焚き火を囲んでいた。


 そこで護衛リーダーのジョバンニが、なぜ毎年ラダック村の護衛を引き受けてくれるか話してくれた。


 ジョバンニたち男3人はボスコで生まれ育っだ腐れ縁の仲だ。

 元々は仲間4人で冒険者になり、順調にレベルが上がっていった。

 仲間4人がLv20に上がりDランクの魔物を狩れるレベルになったので、その勢いでゴブリンを狩りに行った。


「4人居るし勝てるだろうと思って作戦も連携も考えずにゴブリンに向かっていったんだ。でもなかなか倒せず時間ばかり掛かってしまってな、そこにゴブリンがもう数体やって来て…………仲間が1人やられた。

みんな逃げる事も出来ずにもうダメだって所に、ゴチェンさんが通りかかって助けてくれたのさ。1人でゴブリン数体をあっという間に倒して、すげえ頼もしかったよ。ゴチェンさんは奧さんとラダック村に行く途中だったけど、俺達を仲間の遺体と共に、街まで送り届けてくれたんだ。俺達だけじゃ街までもたどり着けなかっただろうな。その後、俺達は冒険者を辞めようと思ったんだ。けどラダック村の人達が毎年夏に護衛の依頼を出しているのを知って、何か恩返し出来ないかみんなで相談したんだ。そしてもう一度冒険者として鍛え直して護衛の依頼を受ける事にした。最初はお金はいらないからと他の護衛PTに同行させてもらったんだ。ゴチェンさんにもいろいろと教わったしね。それで今の俺達があるのさ。俺たちはゴチェンさんに感謝してるのさ」


「へえ~~、ゴチェン村長って強かったんだ!、LVは幾つなんだろう」


「ああ、助けてもらった時で、Lv50だったぞ。お城の騎士団を引退したって言ってたな」


「うそっ!Lv50って…………凄いの?」


 苦笑いのジョバンニ。


 「ははっ、国の1番強い人でLv60で騎士団長がLV55くらいだから、かなり強い方だよ。LV50に達する人なんてそうはいないしね」


 考え込むアリーチェ。


「ふぅ~ん………ゴチェン村長そんなに強かったのか………」


(じゃあシモーネの時やっつけてくれれば良かったのに。あれっ?そんなに強いって事は…………アリーチェの魔力バレてる?)


 星の瞬く草原の夜、焚き火の揺れる灯りがみんなの顔を照らしていた。




  *  *  *  *  *




 野営地に朝日が射している。


 みんなは簡単な朝食を済ませて、出発の準備も整った。

 リーダーのジョバンニが、出発の声をかける。


「では、昨日と同じ隊列でお願いします、ではヤコポ村まで頑張りましょう!」


 みんな荷物を背負って歩き始めた。



 ラダック村のある9560mのニマ山は、周りを7000m級の山々に囲まれている。

 平地の街に出るには隣の山を越えなければならず、ニマ山から尾根を通って隣のパサン山へ渡り、更にその山にあるヤコポ村を経由して平地の街まで降りるのだ。



 昨日の夜アリーチェは、ルカに背負子しょいこを改造してもらっていた。

 背負子はクッションが付いて後ろ向きに座る椅子の様になっていた。


 背負子しょいこを背負って歩くシドと、背中合わせに背負子に座っているアリーチェ。


「昨日より全然楽だわ、シドも楽でしょ?」


「ええ、両手が空きますから、杖も持てますし凄く楽です、ありがとうございます」


「いいのよ、気にしないで」


 アリーチェを背負っている事に喜びを感じているシドは、アリーチェに歩いてもらった方がもっと楽だとは言わなかった。



 魔物の森を抜け、ニマ山から尾根をつたってパサン山に入った。

 7000m級のパサン山をぐるっと迂回する道は獣道の様に細いが、勾配が無く毎年村人が通るので比較的歩きやすかった。


 パサン山に入ってから、木々の種類も変わったが、魔物の魔力の感じも変わっていた。


(小さな魔力は確かに逃げて行くわね。魔道具って便利なのね)


 森を進んでいると、Dランクくらいの魔力が逃げずに近づいて来ているのをアリーチェは感じた。


(コンベアーではないけど、同じくらいの強さね。Dランクだしジョバンニさん達ならきっと大丈夫でしょう)


 少し進んだ所で狩人のリエトが手を挙げた。

 みんな立ち止まり、少し離れた所に固まった。


 リエトがPTメンバーみんなと、右の森の中を指差しながら話している。

 そして騎士ジョバンニが前に出て盾を構えた。

 戦士のアントニオはジョバンニから左に距離をとって斧を構える。

 ジョバンニの後方で魔法使いのニコルが、魔法を最後の言葉の前まで詠唱して止めて待った。

 

 魔物が少しずつ近づいて来る。


 狩人リエトが弓を構えて魔物が近づいてくるのを待つ。


 静まり返った森の中で、村人たちにも緊張が走る。



 バシュッ!!


 静寂の中、突然リエトが弓を放った。


 それが合図かの様に大きな蛇が飛び出して来た。

 頭に丸いコブが2つ付いた大きなコブラの様な魔物だった。

 魔物の頭の高さはジョバンニの頭を優に超えていた。


 ジョバンニが盾を構えながら叫ぶ。


「フタコブラには毒攻撃があるから村人はもう少し下がって!」


 村人たちは怖がりながらも、言われた通りにした。


 ニコルの『ファイアーアロー』が2本飛んでいくが、フタコブラのコブに弾かれた。

 狩人のリエトも矢を放つがフタコブラのコブに弾かれる。

 リエトはすぐに矢をつがえて、今までよりも強く弓を引いた。


 フタコブラは舌をちょろちょろさせながら、周りの様子をうかがっていた。


 ジョバンニが1歩近づくと、フタコブラが威嚇してきた。


 その時、リエトの狙い澄ました矢が、フタコブラの左目に刺さる!


 怯んだフタコブラにジョバンニが突っ込んで行く。


 痛みに耐えながらもフタコブラは口を大きく開けてジョバンニに向かって行った。


 ジョバンニは盾でフタコブラをガッチリ受け止めてから直ぐに剣を振り下ろす。

 しかし素早く頭を引っ込められて剣は空振りした。

 フタコブラの攻撃と戻りはかなり素早かった。


 ジョバンニはフタコブラの攻撃を盾で防ぎ、毒液の攻撃もなんとか避けていた。

 またフタコブラが口を開けて牙の攻撃をしてきたのを、今度はとっしんしながら盾で受けるジョバンニ。

 まだ矢が刺さってないフタコブラの右目は怒りに燃えていた。

 フタコブラも意地になったのか、力比べの押し合いになった。


 力が拮抗して少しだけフタコブラの動きが止まっている。


 その瞬間、フタコブラの頭をアントニオの斧が下から貫いた。


 フタコブラはそのまま崩れ落ちて動かなくなり、全員の歓声が上がった。



 フタコブラの見えなくなった左目側に移動したアントニオが、一瞬のチャンスに柔らかい下顎から脳天目がけての重い一撃を食らわせたのだ。

 斧は頭を貫通していた。

 アントニオも凄かったが目を射抜いたリエトもなかなかだった。

 勿論フタコブラの動きを押さえていたジョバンニも凄かった。

 魔法使いのニコルは…………。



 狩人のリエトは手早く魔石を取り出して、フタコブラを捌いてみんなに分けていた。


 ジョバンニとアントニオは毒消し薬を使っていた。

 アントニオが毒袋を下からぶち抜いたから、アントニオもそばに居たジョバンニも毒を浴びたのだ。

 倒すためとはいえ無茶にも程がある。


 魔法使いのニコルは、フタコブラに弾かれたファイアーアローが木に当たって燃えていたのを『ウォーターボール』で消してまわっていた。

 自業自得だった。




  *  *  *  *  *




 その後は強い魔物に会うことも無く順調に進み、夕方には無事にヤコポ村に到着した。


 アリーチェが初めて見るヤコポ村は、ラダック村と全然違って木の塀で囲まれていた。 

 塀の高さは3mもあり、村の周りに魔物が居るのだと想像できた。


 ラダック村は神の泉に守られていて魔物が近づけないから、守る為の塀など無いのだ。

 


【作者からのお願い】


 本作を読んで少しでも応援したいと思っていただけたなら、

 画面下の「★★★★★」

での評価をいただけるととても励みになります。


           m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ