表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

218/232

ロンバルディア教会での戦い!☆5

少し短いです。m(_ _)m



 ガッ!ドンッ!

 ブンッ!ガシッ!

 ドゴッ!ドガンッ!


 ゾスマとイフリートの素手の殴り合いが続いていた。


「右行くぞっ!次左っ!右っ!」


 ドンッ!ガンッ!

 ブンッ!ドゴンッ!

 ガツン!ボコッ!


「攻撃を前もって言うとか、お前なめてんのか!」


「相手の拳を真っ向から受けてこそ男の勝負だ!」


 そんな戦いでもイフリートが優勢だった。


「ちぃっ!面倒くせえ!」


 ガシッ!ドゴンッ!


 ゾスマはハンマーを取ろうとするが、腕を掴まれぶん殴られた。


「今、武器を取ろうとしただろ!男として恥ずかしくないのかっ!!」


 ドゴッ!ガッ!

 ドガッ!ボコッ!


「うぐっ!くそっ!魔王様に頂いた力を最大限使っているのに何故だ!お前みたいなふざけた奴なんかに!」


 今までとは一変した状況の中、加勢する程の魔力も体力も残って居らずただ見守るしかなかったクロエ教皇とレオナルドは、理解が追いついていなかった。


(助けられている?………魔力の感じからするとやっぱり精霊イフリートみたいだけど、見た事無い姿だわ)


(精霊だよな?あのゾスマって奴より強いとかあり得ないだろ)



 絶望的だった教会全体の状況としては、咲良の召喚した精霊たちのお陰で魔族は討伐されていき、徐々に好転していった。


 ゾスマは、強化した自分の身体が時間切れで弱まっていくのと、魔族軍が劣勢になっているのを感じ取っていた。


「魔族軍が押されているだと?くそっ!何が起こっているか分からんが、お前と殴り合っている場合じゃねえな」


「負けてるからって諦めるなっ!男なら気合いを入れろ!」


 ゾスマはイフリートの言葉など無視し、ハンマーを拾って走り出す。


「全員撤退だっ!」


 レオナルドはゾスマの逃げ道を塞ごうとするが、蓄積したダメージと疲労で一歩も踏み出す事が出来なかった。


 ゾスマは囲んでいた『ホーリーシールド』を打ち砕き、魔族たちを引き連れて撤退を始めた。


 魔力量が残り少なくなっていたクロエ教皇も、ゾスマを追うのを諦めるしかなかった。


「教皇様、上空で助けてくれた鳥って、あのさくらって子と一緒に居た鳥に魔力の感じが似てると思うのですが、覚えていらっしゃらないですよね」


「あぁ、レオナルドはさくらさんに鳥を飼ってないか聞いてたわね、でも小鳥だったんでしょ?…………!!」


(背中に乗っているグレーの何かって人かしら………顔がさくらさんに見えてきたわ)


「レオナルドは視力が良かったわよね。鳥の背中に乗っているのって、さくらさんじゃない?」


「えっ?背中に?そう言えばグレーの何かが乗ってますね…………あっ!!本当だ、グレーの服を着たさくらって子です!いったいどう言う事なんでしょうか?」


「……………」


 クロエ教皇は自分の身体を杖で支えながら、上空の咲良を見つめていた。



 魔族が撤退した後の瓦礫が散乱する教会の各所では、魔族に勝って歓喜する者や友人を殺されて泣き崩れる者、自分が生きている事に安堵する者など様々だった。


 戦い続けていた騎士団員たちには魔族軍を追撃する気力も体力も残って居らず、みんなその場に座り込んだ。


 そんな中元気いっぱいのイフリート。


「何故だぁ~~!拳での語らいを何故途中で辞めたりするんだ~~戻って来てくれ~~!」


 イフリートが地面を叩いて残念がっていると、神級魔法『フィジカルゼロ』の効果が切れ、ゴリマッチョだったイフリートの身体は、幼稚園児並みまで縮んでいった。


「んっ?んんっ??おおおぉ鍛え抜いた俺の肉体があぁぁぁ!」


 精霊の身体は魔力で出来ていて鍛えても筋肉はつかない。それにゴリマッチョになったのは咲良の神級魔法のお陰であって鍛えたからでは無いのだが、イフリートの頭の中では筋トレが全てのようだった。


 その後、咲良が召喚を解くと、全ての精霊たちは光りの粒子になって消え始めた。


 それに気がついた者たちは、先頭に立って戦い守ってくれた精霊たちに感謝の言葉を投げ掛けていた。


「ありがとう女神様!」

「お姉様ありがと~」

「怪我を治してくれてありがと~」

「助けてくれてありがとうございました~」

「執事のお兄様ありがと~」

「お爺ちゃんありがと~」


 …………イフリートへ感謝する者は誰も居なかった。




 ロンバルディア教会上空に居る咲良は、ホッとしたのかふわちゃんの上で欠伸をしていた。


「ふわぁぁ~、とりあえず一段落かな。ふわちゃんありがとうね。全員を助けられなかったのは残念だったけど、教皇様が無事で良かったわ。それじゃあ王都に帰りましょう」


「ピッピィ~!」


「ふわちゃんの背中ふわふわで気持ちいいわ………スゥー」


 かなり疲れて居たのだろう、ふわちゃんの背中に埋もれた咲良はあっと言う間に眠りに落ちていた。


 クロエ教皇は咲良を乗せたふわちゃんをいつまでも見送っていた。

 






 それから半日後、クリストフィオーレ皇国からの援軍が到着した。



 ☆◦º◦.★◦°◦.☆◦º◦.★◦°◦.☆



 本作を読んで頂き有難う御座います。


  (;¬_¬)ジー(¬_¬) m(_ _)m


 ☆◦º◦.★◦°◦.☆◦º◦.★◦°◦.☆



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ