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赤ちゃんは大変だ!

 気が付くと咲良は、ログハウスのの一室のような部屋で、知らないおばさんに笑顔で抱っこされていた。


「おぎゃ~おぎゃ~」


(誰?ここは何処?感覚的にはリアルっぽいけど……まだ夢の中かな)


「おぎゃ~おぎゃ~」


(お~いおばさ~ん、近くで赤ちゃんが泣いてるよ~)


「おぎゃ~おぎゃ~」


(あれ?この泣き声はもしかして私か?)


 試しに手を前に出してみると、小さな可愛い手だった。

 咲良はおくるみに包まれて、おばさんに抱っこされていたのだ。


(私……赤ちゃんだ。そして何この現実感!むぅ~さすがに夢じゃなかったっていう可能性もあるのか?お爺ちゃん詐欺師は違う世界を頼むって言ってたけど、ここは違う世界なの?…………私16才なのになんで赤ちゃん?)


 訳が分からず混乱する咲良。


(どうしよう、夢であって欲しいけど現実な気もしてきた。私は赤ちゃんかぁ………小学校や中学校にまた行くのめんどいなぁ………ん?小学校も中学校も余裕かも。今から受験勉強すれば、憧れのお姉ちゃんと同じ東大目指せるかも!いいね!良しっ!現実だった場合を考えてまずは現状確認だ)


 咲良は見える範囲を観察し始めた。


(咲良は生まれたばっかりで、抱っこしてくれているおばさんは産婆さんよね。ベッドに居る綺麗な人が状況的にママかな。産婆さんと何か話してるけど………言葉が全然分からないわ)


 産婆さんからママに抱っこが移ったので、観察の為に泣き止んでじっとママを見つめる咲良。


 輝く金色の長い髪

 透きとおる様なブルーの瞳

 整った顔立ち

 色白で綺麗なお肌


(かなりいい!私が綺麗になれるの間違いなし!)


 ママが笑顔で話しかけてくれている。


(なんて素敵な笑顔、女子でも惚れちゃうわね!まだ言葉は解らないけど、よろしくねママ!)


 ぎこちないながらも、頑張って手を伸ばして笑いかける咲良。


 母親の笑顔が益々輝いた。




  *  *  *  *  *




 赤ちゃん生活は、ミルクを飲んで寝てればいい訳ではなかった。精神的に女子高生の咲良にとっては絶対に譲れない事があった。


 オムツへのおしっこやうんちは無理だった!絶対に無理だった!

 赤ちゃんなのだがしたくなったら迷わず合図をする事にした。

 最初ママに理解してもらうのに苦労したしかなり驚かれた。

 天才赤ちゃんになっちゃったかもと思うけど、女子高生としては譲れなかった。


 母乳は恥ずかしかったけど、ママの愛情をとても感じた、お腹も減ってたしね。


 おすわりもまだなのに早く立って歩き回りたくて、立ち上がるつもりで転げまわってたら、ママが心配して抱きしめてくれた。ママ大好き。パパは笑ってた。忘れないからね!


 ママがエリスでパパがルカという名前だった。

 咲良の髪の色がエリスママと一緒じゃなく黒髪だと気がついた時はちょっと落ち込んだ。でも元々黒髪だったし、昔からの友だちが一緒に居るみたいで嬉しかった。




 早く言葉を話そうと、あ~え~い~う~って練習してたら、心配してすぐにエリスママが来てぎゅ~してくれた。エリスママ大好き!ルカパパはやっぱり笑ってた。一生忘れないぞ!最初に話す言葉は、絶対ママね!パパは無し!


 赤ちゃん生活は、綺麗なエリスママにいつも愛情たっぷりに抱っこしてもらっていたから、幸せいっぱいだった!


 【作者からのお願い】


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