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取り調べ?☆2


 王城内の豪華な応接室。


 クロエ教皇、モーリス国王、シーナ女王、教皇の護衛レオナルドによる咲良たちの取り調べ的な話し合いは続いていた。


 気になる事があるのか、教皇の護衛のレオナルドが話しかけてきた。


「さくら殿が飼っている小鳥は何の種類なのだ?」


(えっ?ふわちゃんの事かしら、何処かで見られてた?)


 いつもはポシェットで一緒に連れて居るのだが、魔力を持つふわちゃんをお城に連れてくるのはヤバそうだったので、今日は一緒じゃないのだ。


「小鳥ですか?えっと…………飼ってないです」


 咲良は堂々と惚けた。


「ほら、馬車が通る時にスリに取られたポシェットを取り返してくれた小鳥の事だよ」


(あ~あの時に見てたのか)


「………スリですか?………さぁ」


 わざとらしく首をかしげる咲良。


 自信があるレオナルドは力説する。


「ほらっ、あの白い小鳥だよっ!小鳥は魔力を持ってたと思うんだけど魔物だよね?じっくり見たいんだけど見せてくれるかな?」


「白い小鳥?……………さぁ、いったい何の事でしょうか」


 咲良は小鳥なんて飼ってないしスリになんて会ってないと言うスタンスで惚けまくった。

 さくらは首をかしげながらジャンとジャックに協力しなさいよ的な眼差しで目配せをした。

 咲良の考えを察したジャンとジャックは、ぎこちないながらも咲良と同じように首をかしげて惚け始めた。


「そっそんなのいたかーー?」

「さあーー僕は見たことはないですねーー」


 2人は棒読み全開だった。


「えっ?さくら殿の小鳥だよ?知らないの?いつも一緒に居る2人が知らない??私の見間違えだったのかなぁ」


「あっ、ボスコの街では咲良の着ている服を一般に売ってますので、もしかしたら別の人かもしれないですね」


「なんと、そうなのか」


 何となく誤魔化せたようで、咲良はホッとした。


 またモーリス国王が質問してくる。


「ところでジャンは何故さくらと一緒に行動しているのだ?」


「あ~それな」


 ワイバーンの群れ討伐の時に命を救われたとは言えないので、ジャンは代わりにそれらしい言い訳を考えて来たのだ。


 ジャンは横に座っている咲良とジャックを親指で指しながら堂々と言った。


「ほれっ、息子のあれと一緒に行動するのは別に普通だろ?」


 慌てたのはジャックだ。


「お父さんっ!さくらに向かってあれって何だよ!それに僕とさくらはそんなんじゃぁ………」


 教皇や国王たちは咲良とジャックを微笑ましく眺めていた。


 ジャンはぼろが出そうなので、速攻で話題を変えた。


「そんな事より国王様、俺の太鼓はどうでした?良かったでしょう」


「たいこ?何だそれは」


「お嬢ちゃんが踊ってる時の演奏ですよ。トン トン トトンってやつ」


「ああ、あれか………独特の音楽だったな………」


「へへっ、あれ俺なんだぜ」


 見て知っていたので返事に困る国王。


「……………あっそう」

「「「…………………」」」


 モーリス国王や他のみんなにとってどうでもいい事だった。

 ジャンがモーリス国王にタメ口になっている事もみんな呆れていた。


 クロエ教皇が思い出したように質問する。


「そうだわさくらさん、つるぎの舞は見事だったけど、さくらさんは剣術をおやりになった事はあるのかしら?」


 剣の舞は、神楽での振りにシドに習ってた頃の剣の型を咲良が独自で混ぜたのだ。

 咲良はシドの事は伏せつつ素直に答える。


「剣術と言う程のものではございませんが、子供の頃父に習いました。最近はジャンやジャックの剣の練習も見ているからだと思います」


「そう、とても美しい剣筋ね、まるで剣聖でも見ているかの様だったわ」


(あ~シドは昔、剣聖に召喚されて修行に付き合わされたって言ってたっけ、シドの剣は流れるように綺麗だったから剣の舞に取り入れてみたのよね。シドを褒められてるみたいで嬉しいわね)


「お褒めに預かり光栄です」


 まだ咲良の事が気になっているクロエ教皇は、咲良の剣術を見れば何か分かるのではと考えていた。


「ふふっ、あの剣筋は実戦でも通用すると思うのよ。この場でレオナルドと手合わせをしてみてはどうかしら?彼は現7英雄よ、踊りの参考になるかもしれないわ、どうかしら?」


 咲良は剣術も手合わせも興味が無かったが、現7英雄レオナルドとの手合わせなんてそうそう出来る事ではなく、それをジャックにさせてあげたいと思った。


 咲良はジャックが独りで剣の素振りをしているのをよく見かけた。

 稽古相手を咲良が申し出ても遠慮するし、王都内でシドを呼び出せば誰かに目を付けられそうで出来ない。

 出かける時はいつも咲良に着いてきてくれてるから、自由に稽古が出来てる訳でも無いのだ。

 咲良はいつも申し訳ない思いでいっぱいだった。


「咲良の代わりにジャックはどうでしょうか?」


「ジャックさんと?………そうね」


 クロエ教皇はどうしても咲良の剣術が見たかった訳では無かったし、あの若さですでにLV36のジャックの剣も見てみたいと思っていた。

 クロエ教皇がレオナルドに視線を送ると、レオナルドは頷いた。


「ではその様にしましょうかレオナルド」


「はい、教皇様」


「ありがとうございます教皇様」


 咲良は横にいるジャックに微笑んだ。


「えっ、あっ、ありがとうございます!」


 いつの間にか7英雄との手合わせが決まり、ジャックはとても嬉しそうだった。


 現7英雄レオナルドとジャックの手合わせの為、みんなは城の中庭に移動する事になった。




 ☆◦º◦.★◦°◦.☆◦º◦.★◦°◦.☆



 本作を読んで頂き有難う御座います。


            m(_ _)m



 ☆◦º◦.★◦°◦.☆◦º◦.★◦°◦.☆




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