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イザベラ司祭☆5

 イザベラはリビングで抱きしめ会っている3人を見つめていた。複雑な表情だったが目は涙目だった。


(このまま普通に暮らせば幸せそうな家族ね、でも8才の儀式でアリーチェちゃんに魔法の才能があると分かってしまったら貴族の養子になって一緒に暮らせなくなっちゃうわ……んっ?それも幸せか………あれっ?あっそっか魔力がある事を教えればいいのか、そうすれば今すぐに養子に出すわよっ、よしっ!アリーチェちゃんの魔法の才能は私の為にあるのよっ!)



 イザベラは、家族3人で抱きあっているところに話しかける。


「幸せそうに抱き合っているところ悪いんだけど、アリーチェちゃんの事で、教えて無いことが1つあるわ」


 身構えるエリス。


(まだ諦めないのか、教えてないって魔力の事かしら)


「はいなんでしょうか?」


 イザベラは何故か自慢げに言う。


「アリーチェちゃんはまだ5才だけど魔力を感じるわ、魔法の才能があるわ証拠よ」


 エリスはイザベラの発言を、サラッと流した。


「8才の儀式で分かってからで大丈夫です」


 3人とも驚かないのを見て、戸惑うイザベラ。


(あれっ?凄い事を発表した筈よね、ちゃんと伝わってないのかしら)


 アリーチェを指さしてイザベラが言う。


「教会の儀式まで待つ必要はないわ!もうすでにアリーチェちゃんには魔力がっ!ほら魔力が…………魔力が?」


(んっ?あれっ?アリーチェちゃんから魔力を感じないわね………あれっ?)


 アリーチェの特訓の成果であった。

 魔力0ではなかったが、神の泉の近くは魔素が濃く、ラダック村内でなら誤魔化せる程度に抑えられていた。


 混乱するイザベラ。


(あれっ?私の勘違いだったのかしら、アリーチェちゃんに魔力がない?………おかしいわね………いやっ、おかしくないか、今まで5才で魔力があるなんて聞いた事ないわ………何を勘違いしたのかしら)


「魔力が………あるわけないわ。5才で魔力があるはずないわよっ!」


 戸惑いながらも自分の言った事を誤魔化すイザベラ。


「そう、8才の儀式で魔法の才能があったらまた考えましょう。うん、そうしましょう」


 キョトンとするアリーチェ家族。


 イザベラはそそくさと席を立つ。


「それではこれで失礼します。ごきげんよう」


 イザベラは挨拶して帰って行った。


 アリーチェ家族はかなり緊張していたので、安心した途端にみんなテーブルに突っ伏した。


「「「ふぅ~~終わった~」」」



 こうしてイザベラ司祭問題は解決した。




  *  *  *  *  *




 夏の暑さが続く半ば過ぎ。


 ラダック村の道路工事も順調に進み、ほとんどの道が石畳になっていた。

 アリーチェも神の泉まで1人で歩いて行けるようになった。

 あとは神の泉広場も石畳にすれば今年の工事は終了、水路は来年の夏の計画である。



 アリーチェは今、神の泉近くの村長の家で編み物教室を開いていた。


 村の女性たちは編み方は違っていたが、編み物をやっていたので直ぐに上達した。

 ブンミーさんに新しく棒針編み用に、棒針をいっぱい作ってもらった。

 棒針編みは1人で4本や5本必要なのだ。

 そしてみんなにマフラーや手袋やセーターの編み方を教えた。

 村の出発式までには間に合わせたいと、みんな俄然やるきだ。




  *  *  *  *  *



 アリーチェは毎朝ダンスの練習をしていた。

 身体の柔らかさや体幹、バランスよく身体全体を鍛える為だ。

 ダンスの練習をしてて思い出したのだが、神楽を舞いたかったが、巫女の衣装が無かった。


(巫女の衣装を何とか作りたいけど、手編みで出来るような物じゃないから……今後の課題ね)



 ルカパパが畑仕事に行ってる時に精霊達を呼んでみた。

 みんな久しぶりで嬉しすぎて大騒ぎだった。

 騒いだ精霊は、直ぐに帰ってもらった。

 残ったのはウィスプとノームだけだ。

 さすがいつも冷静なウィスプ。

 ノームは、嬉しくて騒いでたみたいだが、椅子に座ってキョロキョロ周りを見てるだけで、静かに座ってるようにしか見えなかった。


 イザベラ司祭の事を、ウィスプに相談してみた。

 司祭以上は精霊と契約してる可能性が高いので、戦うとなったら精霊とも戦う必要がでてくるそうだ。

 なので相手の人数プラス精霊相手に1人で合計5人の精霊が居れ問題なかったそうだ。

 アリーチェと一緒にいる精霊たちは、それぞれの属性の中でも強い方なので、2人でも大丈夫でしょうとも言っていた。

 ウィスプがこっそり見てたみたい。

 暇なのね………いや、心配してくれたんだよね、ありがとうウィスプ。


 夏の期間に神の泉に来る魔法使いは居たが、魔力量はイザベラが一番だった。


(やっぱりイザベラお姉ちゃんって凄かったんだ)


 今回のイザベラの事で、何かの時の為にレベルを上げておく必要があるとアリーチェは感じていた。


 レベルアップの為には魔物を倒す必要があるので、どうしたらいいかウィスプに相談した。


 魔物が多く居る一番近い場所だと、村を半日下山した辺りの森に居るから、それを倒せばいいそうだ。

 そこまで行くのが難しいねとアリーチェが言ったら、フライの魔法で飛んで行けるし、少し準備が必要だが、テレポート魔法でも行けるとウィスプが教えてくれた。


 歩かなくていいのは助かる。


 (魔物との戦いも精霊達にやってもらえば大丈夫よね)


 アリーチェは精霊たちに任せる気満々だった。




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― 新着の感想 ―
読み始めです。 司祭の件、意味がわからなかったので解説あれば助かります。 一芝居打って司祭を誤魔化したってこと?それとも、本当に父母が幸せなら司祭に付いて行こうと思ったのですか? 魔力隠蔽が上手く行っ…
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