表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者は救えない!~世界への反逆~  作者: チョコクリーム
1章 始まりの日
5/20

世の中は残酷で

 


 まずこっちに背を向けている冒険者を殺す。まるで警戒していない。驚いた様子でこちらを向くのが1人、急いで近づき剣を刺す。これで後13人。この調子でいければ良かったんだけど、気づかれたようだ。冒険者が大声で叫んだ。


 しまった。仲間を呼ばれた。増援が来る前に数を減らさないとやばい。近くの冒険者に切りかかるが、弾かれた。こいつら、手馴れてる!斬られそうになるが、無理やり避ける。


 今度はフェイントを掛ける。大きく振りかぶり、相手が盾を構えたのを確認して、一瞬で後ろに回り込み、背中を刺す。僕の剣は斬るより刺す方が強い。なのに大きく振りかぶるわけがないだろう。まぁ、僕の剣が特殊な物だから見分けがつかなかったんだろう。


 後12人。人質を取ろうとしているやつに雷魔法を使い、気絶させる。雷魔法は、Lv1で痺れさせ、Lv2で一瞬思考が止まり、Lv3で相手を気絶させる。


 大体残りMPは3ぐらい、倒れる訳にはいかないから実質残り2か。雷魔法魔法に注意が逸れた冒険者を刺したが、仕留めきれなかった。集中が切れ始めている。


 僕は生まれつき体が悪く、スタミナがない。毎日鍛錬したのにもう疲れるなんて。まだ時間は1分しか稼げていない。


 こうなったら勢いで特攻するしかない。こっちが長期戦出来ないのを見抜かれる訳にはいかない。とりあえず、死にかけは放置、気絶もしばらく起きないだろうから放置、残り10人は固まっている。


 攻めようにも盾を構えている。なんて厄介な。あまり使いたくなかったけど使うしかないか。



 ロムウェルが懐から取り出したのは激臭薬だ。ガラスで出来たビンの中に鼻が曲がるような刺激臭が入っている。非常に割れやすいガラスなので、強く衝撃が与えられると割れてしまう。なので持ち運びが難しく、とても高額だ。


 ゴブリンにやられた時に割れていなかったのは運が良かった。投げた後に突っ込めば当然自分も匂いを嗅ぐことになる。息を止めるのも限界がある。ロムウェルはもうどうにでもなれという感じだった。


 ロムウェルは丁度冒険者たちの真ん中に激臭薬を投げ、混乱している隙に冒険者たちに突っ込んだ。突っ込んだ勢いで1人殺し、急いで刺した剣を引き抜きもう1人刺す。


 後8人。もう対応された!臭いに苦しみながらもこちらを警戒して構えている。盾持ちはあと一人だ、そいつさえやれればなんとかなるかもしれない。


 盾持ちに行くふりをして盾持ちの右隣を刺す。僕の速度についていけてないようで驚いている。そして盾持ちに足を引っ掛け倒れさせ、上から刺す。


 隣から剣が伸びてきたので避ける。そして刺す。僕は刺すことしか出来ない。でも、だからこそ刺すのは上手くなった。後5人。残りMPはもうほとんどないだろう。感覚で分かる。


 前の4人が同時に切りかかる。4?1人いない!後ろか!振り向くのは間に合わない。後ろのやつを見ないで刺すのはさすがに無理だ。どうする?いや、このまま駆け抜ける!


 4人が同時に攻撃をしようとすればどうしても剣同士で当たりそうになる。それを避けようとすれば当然隙間が空く。そこを無理やり通る。多少剣が掠ったけど、その程度!通り抜ける時に1人刺した。


 相手が動揺している間にもう1人刺す。これで後3人。行ける!





 その瞬間、増援が来た。5人の冒険者だ。装備もちゃんと整っている。かなり強い。もうダメなのか。


「冥土の土産に教えてやる。あの5人は傭兵だ。金で雇ったのさ。その実力は冒険者D級だ。お前が勝てるわけがない」


 ここで終わりなのか。ああ、力が抜けていく。MPが尽きたんだ。覚悟が決まったからといって強くなったわけじゃない。やっぱり僕じゃ助けられないのか……。





 そして剣を大きく振りかぶり、僕に………





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ