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文明の果て  作者: JF
一章
1/6

1.未来

自己満足で書いてます。投稿は暇なときに行います。

地下深く、幾年月も積み上げられできた地層の中に5ヘクタール以上の建造物が存在した。


建物内には発電所、娯楽、屋内農場など様々な施設が揃っている。そのどれもが一度設定するだけで自動で管理、保全してくれるという最高性能の施設である。そのため、この施設内にいれば寿命が来るまで何もせず楽な生活を送ることができる。そんな施設の[研究室]の中で一人の男が永い眠りから目を覚ます。



○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○



アラーム音と共にカプセル型の透明ガラスの蓋が開かれる。


機械的なアラーム音が鳴り響き目が覚める。彼は目を擦りながら寝ぼけ瞼で就寝前のことを思いだす。


「どのくらい寝たんだ?」


目を擦りながら、カプセル内のカレンダーに目をやると理解する。


「3千年か…実証実験はしてないが、マシンが動いてるなら成功だな。」


起き上がり、室内を見渡すが寝る前と何ら変わらない実験前と同じ研究室がある。


半覚醒状態でカプセルから出て、自分のデスクに座る。引き出しにしまっておいた寝起きの一本に火をつけ、気持ちを落ち着かせる。


「ふぅ~………とりあえずスキャンしてからレポートだな……」


1cmほど吸い、専用の灰皿にタバコを捨て検査室に入る。彼の身体を四方八方から赤い光線が降り注ぎ、身体の隅々まで当てられ、すぐに結果がでる。



―――――――――――――――――――――――――――


氏名:海道・ミリアム・純


年齢:23


状態:半覚醒


※その他数値は前回同様のため省略


―――――――――――――――――――――――――――


『カラダ二イジョウアリマセン。スイミンブソクデスカ?』


「少しな。ありがとう。」


『ドウイタシマシテ』


AIの診断を終え、自分のデスクに戻り研究結果をまとめていく。



~3千年前~



純は、科学の発展した日共科学大帝国の国家科学研究所の特殊研究員であった。彼の研究は全世界のどの人間も理解できないほどに先進的かつ、画期的な研究ばかりであり国力を頂まで押し上げた。彼の研究成果のお陰で助かった命も幾億にも及ぶため、帝国は厚待遇で彼を雇い続けていた。只、同じ数の人間が死んでいることは彼には知らされない事実である。


彼は自分以外の人間に多少の落胆があった。


『自分と肩を並べて研究できる人間はいない』


そのことを5歳の頃から悩み続けていた。自分と同期の人間は普通に就職し、一部ではあるが、普通に家庭を持って普通の幸せをつかんでいる。元より自分には研究があると思い生きてきたため、嫉妬心なんてものは存在しない。だが孤独に研究する日々に飽きのようなものを感じていた。彼が20歳の時、ふと思い付いたのが、『来世に期待する』ことだった。普通の人間なら馬鹿げていると言われることだったが、彼は研究を重ね来世ではなく『未来』に研究課題を変え3年の月日で『タイムスリープ』を完成させた。その研究成果は国に報告せず、研究所内に誰も入れないようにして永い眠りにつくのだった。



○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○



レポートが完成し、外へ出るため必要なものを空間圧縮バックへつめこんでいく。


「あれと、これと…一応武装具も持つか………これで良し。」


準備が整い、出口に向かい外に出ようとするが生体認証をしても出口が開かない。


「ん?何でだ?」


何度か試したが開かないため、室内制御室にに移動し驚愕する。


「生き埋めかよ…それじゃ開かんわな…」


マニュアルを読みながら操作していく。


「掘削装置…ドリルなんだろうな。ロマンあるねぇ」


掘削進路を決めて回転しながら進み始める、数分程度で地上に出ることができた。


新型のウイルスや汚染物質が懸念されるため、完全装備での外出である。


「空気は正常か…」


揚々と外に出ると3千年前と全く違う光景に言葉が詰まってしまう。


「荒野…だな………帝国はどこに………」


しばらく思案するが、見た限りでは人の気配はないがマップを取り出す。衛星局に電波送信して位置情報を更新する。


「近くに人はいないか………待てよ、なんか来るぞ?」


地平線に小さな黒いものが見える。どうやらこちらに来ているようだ。


「おいおい、あのサイズはまずいんじゃないか?」


そうこうしてるうちに近くなり、その大きさに吃驚するしかなかった。


「蟻…だよな…でかすぎないか?」


大きな口を開けたその蟻が、自分を補食するために向かってきたと分かると、腰に下げている、歪な形の銃を取り出す。


「威嚇か?嫌、喰う気だな。なら覚悟はいいな?」


『プシューン』


独特な発砲音後、場が静まり帰る。それもそのはず。大蟻の肉体は塵ひとつ残さず消え去ったのだから。


「…これじゃ蟻?の研究はできないな…仕方ない」


銃についているレバーを下げ、威力を半分に調整して腰に戻す。


「地図通りなら北西方向に幾つかの人間の生体反応か…行くしかないな。」


カバンから人差し指の付け根程の小さな球体を取り出し軽く前方に投げる。


「オープン」


すると球体が、大きさも形も変えて1人乗り用の飛行機に変形した。


その期待に乗り込む。すると機内アナウンスが流れる。


『ドチラヘムカイマスカ?』


地図をインストールして目的地を指定する。


『リョウカイシマシタ。オノミモノハナニニイタシマスカ?』


「コーヒーで頼む。シロップ2こで」


『カシコマリマシタ』


10秒程度で出来上がる。


『オマタセシマシタ。』


「待ってないよ。ありがとう」


コーヒーに口を付ける。多少の苦味と甘みが身体を休ませる。


飲んでいる間に離陸したようだ。


もうあと一口といったところでアナウンスが入る。


『マモナクトウチャクイタシマス』


「早いな。てか、飲み終わる頃に時間合わせてんのか。さすがっ」


少し離れた岩場に着陸して、機内から様子を伺い危険を確認する。その後、外に出て「クローズ」と唱え球体に戻しバックにしまう。


周りを見渡す。先ほどと違い、うっすらとだが木々がはえている。



村を遠目で確認するが、高台に見張りが一人いるだけのようだ。



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