57/57
ノート
「A?B?」
▽子の問いに首を傾げる。
「罫線よ、ノートの罫線」
顎を突き出して促すように聞きなおす▽子。
「なんでそんな事聞くんだよ」
対抗するように顎を突き出し答える。
「細いAを選ぶ人と、太いBの罫線選ぶ人で性格分かるとか」
「何その安直な占い」
「占いじゃないよ、せ、い、か、く、し、ん、だ、ん」
唇を尖らせて抗議された。
「細いとか、太いとか、何の意味有るんだよ」
「それはやっぱり相性とか」
「なんだよ結局占いと」
「ち、が、い、ま、すー」
激しく唇を突き出す▽子。
突き出した上唇が艶めいて思わず見つめてしまう。
「で?Aなの?Bなの?」
問い詰める▽子に答える。
「んー上」
殴られこそしなかったが、これまで経験したことも無いような眼で睨まれた。
「取り敢えずあたしと君の相性が最悪なのはわかったわ」
おかしい、ウケると思ったんだが。




